新・住生活基本計画が閣議決定、災害対策やカーボンニュートラルを強調
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19日、新たな住生活基本計画が閣議決定された。「社会環境の変化」「居住者・コミュニティ」「住宅ストック・産業」それぞれの視点から、8つの目標が設定された。計画期間は2021年度から30年度まで。
「社会環境の変化」
目標1:新たな日常、DXの推進等
目標2:安全な住宅・住宅地の形成等「居住者・コミュニティ」
目標3:子どもを産み育てやすい住まい
目標4:高齢者等が安心して暮らせるコミュニティ等
目標5:セーフティネット機能の整備「住宅ストック・産業」
目標6:住宅循環システムの構築等
目標7:空き家の管理・除却・利活用
目標8:住生活産業の発展具体的な施策として、目標1では、住宅内テレワークスペースの確保や職住一体・近接、在宅学習の環境整備。既存住宅活用を重視し、地方や郊外、複数地での居住推進。契約・取引プロセスや設計から建築、維持管理など全段階でのDX推進があげられた。
目標2では、ハザードマップの整備・周知による水災害リスク情報の空白地帯の解消。立地適正化計画を踏まえ、豪雨災害等の危険性の高いエリアでの住宅立地を抑制。安全な立地に誘導するとともに、既存住宅の移転誘導などがあげられた。
目標3では、職住や職育が近接する環境の整備。防音性や省エネルギー性能、防犯性、保育・教育施設や医療施設へのアクセスに優れた賃貸住宅の整備などがあげられた。
目標4では、ヒートショック対策等の観点を踏まえた良好な温熱環境を備えた住宅整備の促進などがあげられた。
目標5では、地方公共団体と居住支援協議会が連携し、孤独・孤立対策の観点も踏まえて、住宅確保要配慮者に対する入居時のマッチング、入居中の見守り・緊急対応等の実施などがあげられた。
目標6では、既存住宅の情報が購入者にわかりやすく提示される仕組みの改善(安心R住宅、長期優良住宅)。住宅の計画的な点検・修繕および履歴情報の保存推進。マンション管理の適正化や長寿命化、再生の円滑化推進。長寿命でライフサイクルCO2排出量が少ない長期優良住宅ストックやZEHストックの拡充。LCCM住宅の評価と普及推進。CLTなどを活用した中高層住宅等の木造化などがあげられた。
目標7では、管理不全空き家の除却や特定空家に係る対策の強化。所有者不明空き家について、財産管理制度の活用等の取り組みを拡大などがあげられた。
目標8では、中期的に生産年齢人口が減少するなかで、省力化施工、DXを通じた生産性向上の推進。CLT等の新たな部材を活用した工法や中高層住宅等の新たな分野における木造技術の普及。これらを担う設計者の育成。住宅の維持管理において、センサーやドローンを活用した住宅の遠隔化検査等の実施による生産性・安全性の向上などがあげられた。
国交省は、「今後は、本計画に基づき、関係行政機関と連携し、1人ひとりが真に豊かさを実感できる住生活の実現に向けて取り組んでまいります」としている。
【永上 隼人】
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