2024年11月22日( 金 )

総選挙目前なのに立憲民主の旗幟不鮮明

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「腰が定まらない立憲民主党に対する主権者のプレッシャーを強化して、同党の適正な対応を実現させなければならない」と訴えた3月30日付の記事を紹介する。

2021政治決戦のときが近づいている。

日本の混乱ぶりは惨憺たるもの。
コロナ被害は東アジア最悪。
政府が目指しているのが感染抑止なのか感染拡大なのか不明だ。

主権者である国民の意思は明確だ。
何よりも感染収束を優先してもらいたいと考えている。

東京五輪が予定されてきたがコロナ・パンデミックとバッティングした。
コロナにどのような人為的背景があるのかは不明だ。
単なる自然発生のウイルスではないと見られる。

治療薬よりもワクチンが優先されることも極めて不自然だ。
日本の実情を踏まえればワクチンなしにコロナ収束を目指すべきだ。

徹底した検査と隔離でコロナ抑制は可能である。
実際に成功させている国がある。

ところが、日本政府はコロナ感染を人為的に拡大させている。
そのうえでワクチン接種を叫んでいる。
ワクチンメーカーの回し者であるかのような行動だ。

主権者国民はコロナ感染収束優先一本で進むべきと考えている。
ところが、菅内閣が、なぜか感染拡大にかじを切る。

感染が拡大すれば五輪は中止に追い込まれる。
「不審火リレー」としか言いようのない「聖火リレー」も感染拡大を促進するもの。

感染が収束しなければ五輪開催が不可能になるのに、感染を拡大させる聖火リレー=不審火リレーに血道を上げるのも理解不能。
完全な支離滅裂は五輪組織委員会が機能不全に陥っていることを示している。

4月から5月にかけて感染爆発が鮮明になれば不審火リレーも中止に追い込まれるだろう。
世界から五輪中止の世論が押し寄せるだろう。
五輪中止を誘導しているとしか思えない。

菅義偉支離滅裂内閣は何を目指しているのか。
正常な判断力、正常な行動力を完全に喪失しているように見える。

菅義偉氏は国会質疑で緊急事態宣言を解除して本当に大丈夫なのかを問われて「大丈夫だと思う」と答えたが、根拠がなかった。
根拠のない楽観論に立って緊急事態宣言を解除した。
しかし、現実の感染は2つの要因に規定されて変化する。

第1は世界の感染波動の推移。
第2は人々の行動拡大と行動抑制。

世界の感染波動はいま、第4波に移行しつつある。
極めてリスクの大きい局面だ。

他方、人々は緊急事態宣言解除を受けて行動拡大を加速している。
行動拡大が感染機会を拡大させる。
4月から5月にかけて感染が急拡大する蓋然性が高い。

感染急増になれば五輪は中止に追い込まれる。
菅義偉首相は引責辞任に追い込まれる。

自民党の二階俊博幹事長が、野党が国会で内閣不信任案を提出した場合には、躊躇なく衆院を解散して総選挙を実施する覚悟をもっているとの意向を示した。
強気の対応だ。

しかし、コロナ感染が急拡大し、五輪が中止に追い込まれ、感染拡大の責任が厳しく問われる局面で解散総選挙に突き進んで自公に勝ち目があるのか。
09年同様に野党転落の結果が生じる恐れは小さくないだろう。
それでも、自民党幹事長にこうした強気発言を許す責任が野党の側にある点を見落とせない。

菅内閣が完全な機能不全に陥っていることは鮮明だ。
それでも政権交代の気運が盛り上がりを示さない。

その責任は野党の側にある。
選挙で自公政治を打破して政権を樹立する明確なビジョン、展望が示されていない。
野党が直ちに行動を修正しなければ、日本混迷が長期間にわたり持続する可能性が高まる。

いま野党が取るべき行動は政権刷新のビジョンを主権者に明示することだ。
政権を刷新するために何が必要か。
答えは明白だ。

反自公が結束して大きな連帯を構築することだ。
政策に基づかずに連合を組んでも「野合」になる。
基本政策を共有する政治勢力と市民が連帯して連合体を構築することが必要不可欠だ。

「政策連合=オールジャパン平和と共生」は「政策連合」構築を訴えている。

1.日本国憲法が定める平和主義の堅持
2.原発の稼働ゼロ
3.共生の経済政策
を基本政策として共有して反自公陣営が1つにまとまる。
これが「政策連合」である。

その際に、焦点となるのが次の2点。
第1は、日本共産党を含む共闘体制を確立すること。
第2は、消費税減税の公約を盛り込み、れいわ新選組を含む共闘体制を構築すること。
この2点を満たすことが極めて重要だ。

自民に公明がついてくる。
反自公に共産がつかなければ勝負にならない。
自公の側は反自公陣営を「共産党と共闘する勢力」と「共産党とは共闘しない勢力」に分断しようとしている。
この戦術に呼応しているのが国民民主党と連合である。

つまり、国民民主党と連合は自公の応援団であると理解できる。
従って、国民民主党と連合には、名実ともに自公側に異動してもらう必要がある。
国民民主党と連合の6産別に自公サイドに異動してもらえば、野党共闘はすっきりする。

連合は旧総評系組合と旧同盟系組合の寄り合い所帯だが、旧同盟系組合が共産党との共闘を攻撃し、野党共闘の分断を目指している。
そもそも、この同盟系組合はCIAをバックに、日本における革新政権樹立を阻止することが最大のミッションなのだ。
その同盟系組合が共産党との共闘を攻撃するのは極めてわかりやすい。

枝野幸男氏がもし本当に政権刷新を目指しているなら、国民民主党と連合6産別と訣別して、共産党を含む盤石の野党共闘体制を構築すべきだ。

「政策連合」は3月15日に、立憲民主党執行部の衆議院議員に申し入れを行った。

政策連合が提示する最重要基本政策は、
1 日本国憲法が定める平和主義堅持
2 原発の稼働ゼロ
3 共生を実現するための経済政策
(消費税減税・廃止、最低賃金1,500円政府補償、生活保障法制定等)の3点です。

この3点を基本政策として共有する政治勢力の連帯、共闘を求めます。

日本の窮状を打破し、一刻も早く救国政権を樹立するために、基本政策を共有する政治勢力による候補者一本化への取り組みを強く求めます。

政策連合は、政権交代を実現できる候補者一本化を達成するために、
1 日本共産党を含む共闘体制を確立すること
2 消費税減税の方向を共通政策公約に盛り込むことにより、れいわ新選組を含む共闘体制を確立すること
をとくに強く要請します。

野党共闘体制を構築できなければ政権刷新を実現することは困難だ。
共産党を含む反自公の「政策連合」を構築すること。
これが日本政治刷新実現の条件だ。

いつ総選挙が実施されるかもわからないこの時点で、立憲民主党の腰が定まらない。
立憲民主党に対する主権者のプレッシャーを強化して、同党の適正な対応を実現させなければならない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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