2024年11月14日( 木 )

【飲食事業者の独立心、自尊心を育てよ!(1)】彼らこそが日本を救う!

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

飲食店事業主を虫けら扱い

 コロナ感染対策において、政府の飲食店に対する扱いは虫けら扱いも同然であった。「Go To Travel」の政策を緩めるたびにコロナ感染数が増加し、連動して飲食店が営業の制限を受ける。このことが繰り返されるなか、飲食店店主は必死で凌いできた。一方、政府は旅行業界・ホテル業界に対しては破格の扱いをしてきた。観光業界はまさしく二階自民党幹事長の利権の基盤であるから、当然配慮があり、予算がつく。

 飲食店事業主はこの虫けら同然の扱いに怒りをぶつけるべきだ。

飲食店主らの凄まじい事業魂が日本を救う

 コロナが度重なり襲来している(現在、第4波)と言われている。多くの国民は気分が滅入り、生きる意欲を失くしている始末。この極度の落ち込みを目撃すると「はたしてアフターコロナにおいて日本人はたくましく復活できるのか?」という疑念が募る。

 アメリカでは50万人以上のコロナ感染による死者が発生しているが、アメリカ人はめげない。元気さが伝わってくる。2021年の実質成長率は、前年比5%を超えることが予想されている。アメリカ政府の経済立て直し政策もダイナミックであり、この際に陳腐化した国内インフラを大改造しようという野心がありありと伝わってくる。

 飲食店店主のなかに、将来を悲観して自死の道を選んだ人がいるのは事実である。しかし、大半の飲食店店主らは営業時間が規制されれば、テイクアウト、デリバリーの方法を取るなど、考えられる知恵を駆使して商売を継続してきた。この生き残ろうという執念と行動力はほとんどの日本人が喪失したものだ。昔は日本人全員が持ち合わせていた生命力であったが、第二次世界大戦後に高度経済成長を達成して日本人の気質は悪い方向へと変質した。それは諦観と行政へのぶら下がり意識である。

 福岡市中央区で居酒屋を自営しているA氏はもともと、介護士を6年間していたが、「この先はたかが知れている」と決断して自営業を始めた。料理関心があったわけでも、スキルを有していたわけでもないが、ただひたすら、「独立したい」という一心で努力を積み重ね、夫婦と2名の仲間で店を開いた。一時は年中無休(年に1日だけ休店)を続けた。独立して3年間は毎日の睡眠時間は4時間、休みを1日も取らなかった。家庭料理に工夫をこらした料理を提供することで顧客がついた。

 自営業を始めて10年が経過した昨年3月、コロナ禍に襲われた。昨年前半は状況について甘く見ていたが、営業時間の制限がなされたため、売上はコロナ前の2割になった。A氏は「貯えがあったから急場をしのぐことができた」と振り返る。それから活動時間を抜本的に変えた。午前5時に起きて、仕込みを始める。昼間はテイクアウトのメニューをそろえる。状況への対応の変化の迅速なこと!「コロナに潰されてたまるか!」という意気込みが伝わってくる。

業界結束団体を組織するべきだ!!

 「俺が俺が!」という自立心に燃えるのは結構であるが、A氏はコロナ禍で苦い体験をした。ここは徹底的な学習が必要な時であるから、提言する。やはり、政治家らへ意見を申す政治団体を結成しなければ、いつまでも虫けら扱いが続く。

 今回から、コロナ禍で健闘している飲食店店主の戦いをシリーズで紹介する。

(つづく)

(2)

関連記事