インドネシア・パーム油生産農園視察(ボルネオ直行ルポ)(8)憧れのカリマンタン(ボルネオ)島へ
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パーム油メーカーのランキング
まず行うべきことはパーム油生産業者の規模を頭に叩き込むことである。この業界も国営企業と華僑資本で占められている。上位ベストテンに関する資料を入手できたので、少し解説する。インドネシの通貨のルピアで示すと、トップ企業Sinar Mas Agroの売上は36兆1,900憶ルビアである。2位、3位はそれぞれ17兆ルピア、13兆ルピアである。10位でも1.8兆ルピアであり、単位が兆であるから驚きだ。
ここには訳があり、為替レート上のからくりがある。日本円に換算すれば、約130ルピア=1円(為替レートによる変動あり)。130ルピアで換算すればトップ企業の売上は約2,780億円、2位の17兆ルピアは日本円で約1,300億円となる。規模が縮小されたかのように錯覚してしまう。しかし、カリマンタン(ボルネオ)島で視察したメーカー(次号で触れる)、は同島で1.5万人以上を雇用しているという。パーム油生産事業が現地でいかに働き口増加に貢献しているかを理解できよう。
地形上、パーム油算出最高に相応しい島
西洋の帝国主義者たちはカリマンタン島をボルネオ島と呼んでいた。このボルネオ島はイギリス、オランダによって侵略され、200年以上制圧されていた。その負の遺産がみられる。筆者が企業調査マン時代に南洋材を輸入する木材商社に出入りしていたことがあり、そこの支店長から「ボルネオにはラワン材の仕込みに10回、渡った」と聞いたことを鮮明に記憶している。それでボルネオという呼称に親密感を覚えるのだが、これは侵略主義の名残に洗脳されている証でもある。
島の広さは74万3,330km2で日本の約1.9倍だ。世界ではグリーランド島、ニューギニア島についで3番目に大きいという。この広大な島をインドネシア、マレーシア、ブルネイの3カ国が所有している。ブルネイは昔からの民族王国であり、領土は非常に小さい。オランダ植民地であった地域がインドネシア領となり全体の2/3を占める。イギリス植民地であった地域がマレーシア領となり1/3を占めている。負の遺産とはこれを指す。
地形をみると、南北に山脈が走っている。だがカリマンタン島の南部はかなりの部分が平原に覆われている。高さ28mのヤシの樹が密集してジャングルが形成されており、作付けが容易である。ヤシの森と隣接してゴムの森も非常に密集して群生している。ゴムの生産量世界1位はタイであるが、第2位のインドネシアが肉薄する勢いで増やしている。インドネシアイのゴム生産地も主力はこのカリマンタン島である。飛行場に接近して降下状態に入った際の画像を添付する。一面のヤシの林を展望できる。
カリマンタン島東部にインドネシアの新首都の建設が進んでいる。政府としてもこの島を戦略的に重視しているのだ。人口は全体で約1,979万人(2010年)。インドネシア領に約1,377万人、マレーシア領に約562万人、ブルネイ・ダルサラーム国に約40万人が居住している。
(つづく)
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