地元に愛され70周年を迎えた 劇団わらび座
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去る6月11日、アクロス福岡シンフォニーホールでミュージカル『北斎マンガ』(主催:(株)データ・マックス)の公演を行った、劇団わらび座(秋田県、山川龍巳社長)が、本拠地のあきた芸術村での70周年記念特別公演(開催日:7月31日~8月3日)の初日を迎えた。
席を1つずつ開けるなどコロナ対策が徹底されたわらび座劇場は、観客と演者との距離も近く、ファンの方々の熱気であふれていた。観客は演者の渾身の演技に魅入られて、食い入るように舞台をみていた。
公演後には同敷地内の温泉ゆぽぽ「紫苑」に場所を移し、演者とファンの交流会「感謝の集い」が行われた。会の冒頭、山川社長は、「多くの方に来場いただき、本当にありがとうございます」と感謝を述べた。
また、「コロナ禍のなか70周年を迎え、つぎの時代にどう引き継いでいくか。劇団員は一番きついときに一番大事なことを考えてくれていた。コロナは人間の欲望に鉄槌をくらわしたと思う。そのような状況で差別や貧困、格差社会など世界的な問題が生じているなか、人を思いやる力、尊敬しあう心、愛し合うことを伝えることが、文化芸術の最大の使命である。生きていくことがいかにすばらしいことか、人の命がどれほど尊いかを全面に表現していきたい」と今後の抱負を強く語った。
感謝の集いでは、演者のトークショーやパフォーマンスが披露され、出席したファンを大いに喜ばせた。また、わらび座と同じ年の演者による「岡村雄三氏70歳のわらび座人生」では、岡村氏が今までのわらび座の活動のなかで心に残っているという、ヤンキーなのにわらび座にきて、わらび座の人たちと知り合えて本当に良かったと語った修学旅行生の話を披露した。文化芸術・わらび座の存在の大きさがわかるエピソードであった。
また、秋田県仙北市角館町で食事を取るために入った料理店では、わらび座が製造・販売している地ビールの取り扱いがあるほか、公演のパンフレットも置かれていた。わらび座が地元の人々から愛され応援されていることを実感して、劇団を70年続けてこられたことの一端がわかったような気がした。
【内山 義之】
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