福岡県、宿泊療養施設のコロナ患者に「抗体カクテル療法」 全国2例目
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入院に限られていた新型コロナ患者への「抗体カクテル療法」について、厚労省がホテルなどの宿泊療養者にも使用を認めたことを受けて、福岡県は16日、福岡市の博多グリーンホテル2号館に隔離中の患者2人に初めて使用した。
宿泊療養者に抗体カクテル療法を使用するのは、東京都についで全国2例目。この日を皮切りに福岡県は今後、1日あたり10人程度の宿泊療養者に使用するという。
抗体カクテル療法は、2種類の抗体中和薬(カシリビマブ/イムデビマブ)を組み合わせた点滴薬「ロナプリーブ」を静脈から投与してコロナウイルスの増殖を抑え重症化を防ぐ。海外の臨床試験では、コロナ患者の入院や死亡リスクが70%減少したと報告されている。
厚労省が都道府県などへ出した7月20日付通知では、供給量が限られるため、当面の間は重症化リスクのある入院治療が必要な軽・中等症Ⅰ患者を投与対象とした。
ところが、ウイルスが感染力の強いインド由来のデルタ株に置換。感染が大都市圏を中心に全国に急拡大し、病床不足から入院できない患者が続出した。一方で、抗体カクテル療法は発症7日以内に使用しないと効果がない。
米国では外来患者への使用も認めているが、点滴中から点滴終了後24時間以内にアナフィラキシーや急性輸注反応といった重い過敏症の発症が報告されている。投与後は最低1時間の観察が必要とされている。
このため厚労省は、点滴中から十分な健康観察が可能なホテルなどの宿泊療養施設を「有床の臨時医療施設」とみなし、都道府県などに8月13日付で宿泊療養者への使用を認めると通知した。
ただし、増え続けている自宅療養中の患者への使用は認めていない。また高齢者施設の使用も認めないまま。
東京都では13日から、港区の品川プリンスホテルの宿泊療養者に使用。病床不足を補うため、酸素投与ステーションなどの設置も検討されている。
【南里 秀之】
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