宿泊療養のコロナ患者への抗体カクテル療法、福岡市内は1カ所のホテルで使用
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新型コロナ患者のうち軽・中等症Iの宿泊療養者に使い始めた「抗体カクテル療法」について、福岡県は宿泊療養施設として借り上げた福岡市内の6カ所のホテルにいる同療法の対象要件を満たす患者を「博多グリーンホテル2号館」(福岡市)に移送して治療し、北九州市と久留米市の宿泊療養者は厚労省に登録済みの医療機関で対応するとしている。
福岡県は、新型コロナの軽・中等症I患者の宿泊療養施設として福岡市で6カ所、北九州市と久留米市で各2カ所の計10カ所、合わせて約2,100の個室を確保。東京都が確保済みの個室数約3,000に迫る。
厚労省は当初、抗体カクテル療法を入院患者のみに認めていたが、感染拡大で入院できない患者が続出。そこで、宿泊療養施設を「臨時の有床の医療施設」とみなし、ホテルでの使用を認めた。今のところ、東京都と福岡県が先駆的に取り組んでいる。
同療法は2種類の中和抗体薬を組み合わせた点滴薬。海外の臨床試験では、投与中から投与終了後24時間以内にアナフィラキシーや急性輸注反応などの重い副作用が報告され、十分な健康観察体制が欠かせない。
一方、ホテルに常勤する医師や看護師の確保は容易でない。福岡県は福岡市内の借り上げたホテルで最大の455の個室をもつ「博多グリーンホテル2号館」のワンフロアーを、抗体カクテル療法の専用フロアに衣替えし20室を確保、市内の残り5カ所のホテルから患者を移送することにした。専用フロアには医師2人と看護師1人が24時間常駐する。
北九州市や久留米市については、「ホテルに常勤してもらう医師や看護師の確保が難しい」(福岡県新型コロナウイルス感染症対策本部)として、厚労省に登録済みの医療機関で抗体カクテル療法を提供する。福岡県の登録済み医療機関は9施設だが、公開されていない。
同対策本部は「抗体カクテル療養法に使う点滴剤は、使用前日の午後3時までに必要量を申請すると、翌日に配送されることになっている。積極的に注文して、軽・中等症患者の重症化を防ぎたい」と話している。
【南里 秀之】
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