2024年11月17日( 日 )

前年比20.1%増、初の10兆円越え~驚異の伸びを見せる通販市場

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 (公社)日本通信販売協会(以下、JADMA、粟野光章会長)は23日、2020年度の通信販売市場売上高(速報値)が約10兆6,300億円となり、初めて10兆円を超えたと発表した。

出典:(公社)日本通信販売協会「2020年度通販市場売上高調査」
(売上高はJADMA会員情報に加え、協会会員 434 社(調査時点)を対象に実施した「第39回通信販売企業実態調査」で得た回答の売上部分を先行集計した結果と、各種調査から推計できる有力非会員386社の売上を加えて算出)。

 通販市場はマイナス成長を記録した1998年度以降、22年連続して増加傾向が続いており、直近10年の平均上昇率は8.7%だったが、今回の上昇率は20.1%(約1兆7,800億円増)と大きく躍進した。

 JADMAは市場拡大の要因に、「楽天やアマゾンに代表される大手ECサイトのモール系が堅調であることとともに、コロナ禍よって家電系や家具、食品系など、在宅時間を充実させる目的の商品が好調」だった点を挙げている。

 また、経済産業省が7月30日に発表した電子商取引の調査結果(20年度)によると、物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳は、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」「衣類・服装雑貨等」「食品、飲料、酒類」「生活雑貨、家具、インテリア」の割合が大きく、これら4カテゴリーの合計で物販系分野の73%を占め、コロナ禍の影響で全カテゴリーで市場規模が大幅に拡大した。

 EC化率についても「書籍、映像・音楽ソフト」(42.97%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(37.45%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(26.03%)が高い値となっており、商品のEC化が市場拡大を後押ししている。

 JADMA事務局では、「今回の上昇率は過去を見ても異例の高さであり、コロナ禍次第ではあるが、いずれにしても今後順調に市場は拡大していく」と予想している。

【麓 由哉】

関連記事