自民党総裁選の構図と見どころ
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「自民党党首選は、安倍・麻生・岸田の旧勢力と河野・石破・二階・菅の新勢力の党内抗争になっている」と訴えた9月9日付の記事を紹介する。
菅内閣崩壊なのに政権刷新の気運が一向に高まらない。
逆に自民党は党首選で電波をジャックする。マスメディアの大半は自公政権の御用機関だから、党首選を大義名分にして自民党の大宣伝活動を展開する。
自民党党首選が終われば新内閣の発足。
閣僚の顔ぶれ紹介に終始する。新内閣が発足した直後に衆院総選挙が実施される。
内閣発足直後は内閣支持率を高く発表する。
この状況下で衆院総選挙が行われる。本年の秋までに衆院総選挙が実施されることは既定の事実だった。
安倍・菅政権の迷走が続き、内閣が国民支持を失ってきた。安倍政治は政治私物化の総合商社状態だった。
菅政治は国民無視の利権政治だった。コロナ感染を爆発させるなかで五輪開催を強行した。
国民の命と健康よりも自分の利益、自分の利権を優先した。
その結果として内閣支持率が3割を割り込み政権崩壊秒読み態勢に移行した。山形県知事選、千葉県知事選、国政3選挙、静岡県知事選に自公は全敗。
菅氏が総力を注いだおひざ元の横浜市長選でも惨敗した。その結果として菅首相は辞任に追い込まれた。
野党は一気呵成に政権奪還を狙うべき局面だが、政権刷新への期待が一向に高まらない。
理由は野党共闘の枠組みが確立されていないこと。政策を無関係に共闘すればいいというものではない。
基本政策を共有する勢力が連帯しなければ意味がない。
政策を基軸に連帯し、共闘体制を構築する。
これが「政策連合」の考え方。ところが、これと似て非なる動きがある。
政策の不一致に目をつむり、無理やりかたちだけの共闘を成り立たせようとしている。
根本的な食い違いは、共産党との共闘に関する考え方。共産党との共闘に反対する勢力がいる。
この勢力は戦争法制を肯定し、原発稼働を肯定し、消費税増税を肯定している。この基本政策方針は自公と同一。
基本政策が自公と同一なのだから、自公と連携すればよい。
それにもかかわらず、野党共闘の輪のなかに無理やり入り込もうとして、野党共闘確立を妨害している。これでは市民の政権刷新に向けての期待が高まるわけがない。
野党共闘確立を妨害している勢力は「連合・6産別」とこれを支持基盤としている「国民民主党」。
国民民主党と連合・6産別は自公勢力に移転すべきだ。存在を否定しているのではない。
基本政策路線が異なるのだから、基本政策路線を共有する勢力と連帯すべきなのだ。共産党が武力革命を唱えている、直ちに自衛隊の廃止を求める、直ちに天皇制の廃止を求めているわけではない。
共産党が単独で政権を樹立すれば事情は変わるだろうが、共産党はそのような無茶な提案を示していない。
共有できる基本政策を確認し、その枠組みのなかで「連合政権」を樹立することを唱えている。
極めて現実的な提言を示している。平和主義を堅持し、原発を廃止し、共生の経済政策を実現する。
この基本政策を共有し、大きな連帯を形成する。
これが「政策連合」の考え方。共産党を含む野党共闘を妨害する勢力は野党勢力の弱体化を目指す勢力としか認定しようがない。
ところが、野党第一党の立憲民主党が「連合・6産別」に支配され続けている。この状況では次の総選挙での政権奪還は実現しない。
立憲民主党が態度を改めぬなら選挙後に総括が必要になる。※続きは9月9日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「自民党総裁選の構図と見どころ」で。
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