中国地方から見た岸田総理誕生を検証
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任期満了にともなう自民党総裁選挙に、河野太郎氏、岸田文雄氏、高市早苗氏、野田聖子氏の4人が立候補。9月29日、投開票が行われた。
【表1】は総裁選挙の結果をまとめたもの。全国47都道府県の党員・党友による投票結果は、河野氏が37都道府県でトップ。岸田氏は8県、高市氏と野田氏はそれぞれ1県だった。
しかし、全国の党員・党友と国会議員による票を合計した1回目の投票の結果、1位は岸田氏で256票(議員票146、党員票110)を獲得。2位は河野氏で255票(議員票86、党員票169)、3位は高市氏で188票(議員票114、党員票74)、4位は野田氏で63票(議員票34、党員票29)だった。有効投票総数762票の過半数を超えた候補者がいなかったため、1位の岸田氏、2位の河野氏による決選投票となった。
決選投票では岸田氏が257票(議員票249、地方票8)、河野氏が170票(議員票131、地方票39)となり、岸田氏が新総裁に選出された。
筆者は山口県出身で現在は島根県益田市に住んでいるが、中国地方5県を見ると、岸田氏(広島1区)は広島県で有効投票数の84.1%を獲得。島根県で42・2%、山口で40・1%、岡山県で29・5%を集めた。鳥取県は石破茂議員(鳥取1区)が河野氏支持に回った影響を受けて、7.7%だった。ただし、中国5県全体では50・4%と、全国の28・9%を大きく上回った。
岸田氏は地方票で地元・広島をはじめ、青森、山形、山梨、山口、島根、香川、熊本の8県を制した。
河野氏は岡山県で44・9%、鳥取では石破氏の支援を受けて82.0%を集めてトップだった。高市氏は山口で36.2%の票を得て2位に入った。安倍晋三前首相(山口4区)の支持を反映したものとみられる。
大きい安倍氏の影響
中国地方の獲得票を見ると、安倍氏らの支援が岸田氏の得票数に大きく影響したと思われる。今後行われる組閣にも影響を与えるのは必至で、今後発足する新政権に対する国民の評価も左右することになりそうだ。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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