ファミマ、PB「お母さん食堂」廃止し、「ファミマル」に刷新~その是非をめぐり、ネットは大炎上(1)
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(株)ファミリーマートは、自主企画のプライベートブランド(PB)「お母さん食堂」などを廃止し、「ファミマル」に刷新する。その是非をめぐり、ネットは大炎上。テレビはワイドショーで特集を組むほどの騒ぎになった。ファミマブランド再生のためにスカウトされた、足立光最高マーケティング責任者(CMO)にとって、想定外の出来事だったようだ。
PBのブランドを「ファミマル」に統一
(株)ファミリーマート(以下ファミマ)は10月18日、売上高に占めるプライベートブランド(PB)商品の比率を現在の約30%から2024年度末までに35%以上に引き上げる方針を明らかにした。複数あるブランド名を22年春に新ブランド「ファミマル」に統一し、その後、商品数も約810種類展開していく。
これまでは日用品や菓子を「ファミリーマートコレクション」、総菜や冷凍食品を「お母さん食堂」として展開してきた。このほか独自のお弁当やおにぎりなどもあったが、商品のすみ分けが不明確で、味や品質が十分に伝わっていないという課題があった。そこで、ブランドを統一してファミマのブランドカラーを使い、消費者の認知を高めるという。
ブランド統一について問題になるようなことはない。だが、「お母さん食堂」という名称をめぐって昨年、オンラインで変更を求める署名活動が行われ、インターネット上で論争になっていた。ファミマが「お母さん食堂」の名称を廃止したため、再び大炎上。テレビのワイドショーまで「お母さん食堂」の名称をめぐり、喧々諤々の論争で火花を散らす騒ぎになった。
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社長請負・玉塚元一氏がロッテHD社長に~骨肉の争いの真っただ中に飛び込んで大丈夫か!?ファミマの足立光最高マーケティング責任者(CMO)は18日の説明会で、PB変更は署名活動以前から検討しており「直接の関係はない」と説明した。そのうえで、「すべてのお客さまに受け入れてもらえるよう十分検討した結果だ」とも語った。
商品のブランド名は、消費者が抱くイメージが大事だ。折角の新ブランド「ファミマル」に、「お母さん食堂」騒動が水をさした。
「お母さん食堂」騒動の顛末
ファミマのPB総菜ブランド「お母さん食堂」が登場したのは2017年9月のこと。ところが、2020年暮れに「お母さん食堂」という商品名をめぐってネットで論争が起きた。
きっかけは3人の女子高校生。「ガールスカウト日本連盟」が主催したジェンダー平等について考えるプログラムに参加した3人は、ファミマの店内に掲げられている「お母さん食堂」という看板を見て、「このままでは『お母さんが食事をつくるのが当たり前』という意識を社会に植え付けてしまう」と感じた。
3人は同連盟の協力の下、「商品名が社会に与える影響を企業にも知ってもらい、ジェンダー(男女の差別)問題をなくしていきたい」と、ファミマに対しブランド名の変更を求める署名活動を開始。瞬く間に賛同する7000以上の署名が集まった。これにネットの世論が「言葉狩りではないか」と反発、大炎上した。
昭和世代のお父さんたちには、理解不能な騒動だったにちがいない。「お母さん食堂」がけしからんのなら、お母さんがつくる「おふくろの味」もダメ。「父の日」「母の日」は性差を固定するからジェンダーに反する。「ひな祭り」や「端午の節句」は幼児のころから性差を植え付ける悪しき習俗になるのではないか、と首をかしげたほどだ。
昭和世代には戸惑うばかりだが、はっきりしているのは、ジェンダーレス(性差をなくす)が時代の流れだということだ。男子の制服はスラックス、女子はスカートと定めている学校は多いが、早晩、女性用スカートが廃止され、男女が共有するパンツスタイルの制服に替わるだろう。実際、男子用、女子用の区別をなくし男女共用の衣料を売りに出しているアパレルメーカーもある。
(つづく)
【森村 和男】
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