2024年11月24日( 日 )

野党共闘をつぶしては駄目だ

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は立憲民主党が野党共闘路線を放棄すると小政党に転落すると警告した11月3日付の記事を紹介する。

 第49回衆議院議員総選挙の結果を受けて立憲民主党の枝野幸男氏が代表辞任を表明した。11月1日付メルマガ記事「立憲枝野代表の引責辞任不可避」(https://bit.ly/3wb7IvY)(https://foomii.com/00050)に記述した通りの結果になった。

今回総選挙の核心は枝野立憲の大惨敗。その理由は枝野立憲民主党が主権者から支持されなかったことにある。最大の要因は枝野幸男氏が野党共闘を冒涜、否定する姿勢を押し通したこと。

289の小選挙区のうち213の選挙区で反自公候補の一本化が実現したことから、立憲民主党が共産党を含む野党共闘に積極的であったと報じられている。しかし、これは事実誤認。

候補者一本化が実現した最大の貢献者は共産党。共産党が多くの選挙区で候補者擁立を取り下げたことで候補者一本化が実現した。そして、その恩恵を最大に享受したのが立憲民主党。しかし、立憲民主党の枝野幸男氏は野党共闘に背を向けていた。

今回の総選挙直前に枝野幸男氏は記者に対してこう述べた。

「『野党共闘』というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う。共産党さんとは(共産、社民、れいわの3党と一致した政策に)限定した範囲で閣外から協力をいただく」。

枝野氏は、共闘の対象は国民民主と連合であって、共産、社民、れいわとは共闘しないと述べていた。

10月23日に都内で行われた市民団体のイベントでは、立憲民主党の枝野幸男代表が共産党の志位和夫委員長との記念写真撮影を拒絶した。枝野氏は野党共闘を推進したのでなく、野党共闘に背を向ける対応を示し続けた。

このために、立憲民主党が野党共闘構築を牽引することを期待した主権者多数が立憲民主党不支持に回った。その結果として立憲民主党が比例代表選挙で大敗した。

2017年総選挙と21年総選挙の結果を客観的に検証すると、この事実が鮮明に浮かび上がる。旧民主党=旧民進党である「立憲民主党と希望の党」、および「立憲民主党と国民民主党」の獲得議席数を見てみよう。

17年選挙 選挙区36 比例代表69
21年選挙 選挙区63 比例代表44

他方、自民党獲得議席は
17年選挙 選挙区218 比例代表66
21年選挙 選挙区189 比例代表72

旧民主・旧民進の17年、21年獲得議席数を見ると、選挙区で27議席増大、比例代表で25議席減少となった一方、自民党は選挙区で29議席減少、比例代表で6議席増大となった。つまり、小選挙区で反自公候補が一本化されたことで立憲民主党は議席激減を免れたのである。

ただし、立憲民主党への支持が急減したために立憲民主党が比例代表での獲得議席数を大幅に減らした。自民党が獲得議席数で大健闘したのは比例代表で議席を積み増したからだ。

この状況で野党候補一本化が消滅すると何が起こるか。立憲民主党は獲得議席数をさらに激減させ、野党第一党から転落する可能性が高い。

読売、産経、日経が「野党共闘路線が立憲惨敗の主因」とのプロパガンダを流布している。公明と関わりの深い毎日も同調している。通信社の時事、共同も歩調を合わせている。

狙いは単純明快。米国が支配する日本の政治構造を固定化するうえでの最重要課題が「野党共闘の粉砕」なのだ。この情報誘導に乗せられて立憲民主党が野党共闘路線を放棄すると、立憲民主党は小政党に転落する。

これが日本支配勢力の狙いである。この点を見落としてはならない。

※続きは11月3日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「野党共闘をつぶしては駄目だ」で。


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