廃棄物を適正に処理して新たな可能性を生み出す~SDGsの達成のために(前)
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(株)成田美装センターは1972年創業。久留米市を拠点に地場処理業者として高い信頼を得ている。久留米市のリサイクルセンターの他、大牟田市にISO14001認証の処理工場を所有し、その処理能力は国内最大規模を誇る。社是は“感謝と奉仕”。産廃処理業を「近代社会を維持していくうえで、絶対に必要な業種」と語る吉冨代表。目指すのは、「子どもや孫と働ける永続性をもった企業」だ。
産業廃棄物の排出者責任
――産業廃棄物処理については法的には排出業者にも責任を定めていますが、違法・不法処理については中間処理業者さんが矢面(やおもて)に立たされる場面が多いですね。
吉冨慎一(以下、吉冨) ニュアンス的にそういうことが多くなるのは事実ですよね。ここ20年近くの間に排出業者の間で流行(はや)っているのは、産廃処理についていわゆる「管理会社」を間に挟むというリスク管理です。排出事業者側からみると、「中間処理業者がきちんと処理しているかわからないから怖い」という理屈があってできたしくみなんですね。ただし、当社も含めてきちんとまじめにやっている中間処理業者がほとんどですから、実態として管理会社の多くは値下げ交渉を役割とするものに変わってきています。では管理会社を挟むことで無理やり値下げせざるを得なくなるとどういうことが起きるのか。結果的に適正処理がしにくくなるんです。排出事業者が管理会社に任せきりにしているのは問題ですが、業界としては改善すべき構造になっていると思います。
当社は来年創立50年を迎えますが、創業者の先代からこだわっているのが、「きちんと処理しているのか不安であれば、いつでも遊びに来て見ていってください」という姿勢なんです。それだけきちんとやっているという自信がありますから。
世界的に再生可能エネルギーを推進するというかたちになって、今後おそらく処理費用は上がってくると思います。海外にゴミを持っていけないとなると、それがそのまま日本に残るわけですから。輸出業者についても、日本で加工して海外に持って行くとなっても費用がかかりますから、結局は加工会社の責任になるわけです。日本のルールでは買い取らせてしまえば排出事業者にはもう責任がないですから。だけどリサイクル業者が買わなかったらゴミの山になってしまいます。この責任を誰が取るのかという問題になるので、うちでは両方やっているんですよ。マテリアルリサイクル(ゴミを原料として再利用)もサーマル(ゴミの燃焼エネルギーを再利用する)もケミカル(化学反応による再利用)も、当社が受けたものについては責任をもって処理できます。
――排出業者のエリアでいうと、西日本が中心になるのでしょうか。
吉冨 当社で扱うものについては、現在は九州一円から受けています。関東や関西に事業所があって、出張所から出たゴミを受けることもたまにはありますが。その際には間に管理会社が入ります。たとえば九州の倉庫に商品を置いていて、それを廃棄することになったとします。そうするとわざわざ東京まで運んで捨てるのはいやですよね。それで「九州で処理できるところはないか」ということで管理会社が動く。管理会社について、そういう使い方をする分には私は構わないと思いますよ。しかし、あえて別のエリアから九州に入り込んできて、値段を下げてくるというのはいかがなものかと。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
(株)成田美装センター
代 表:吉冨 慎一
所在地:福岡県久留米市青峰1-8-17
工 場:久留米リサイクル場 福岡県久留米市高良内町十八3874-54
大牟田工場:福岡県大牟田市健老町465・464・460(大牟田エコタウン内)
設 立:1972年8月
資本金:1,000万円
URL:http://www.naritabisou.com関連キーワード
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