2024年11月29日( 金 )

福岡1区に早稲田「アカクロ」の新星 働く人のためにより良い環境整備を

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坪田社会保険労務士事務所
代表 坪田 晋 氏

福岡1区で次点~約5万4,000票を獲得

坪田 晋 氏

 2021年の衆院選で、福岡1区は自民党の井上貴博氏が当選したものの、次点の立憲民主党・坪田晋氏にも注目が集まった。井上氏が公明党の推薦も得たうえで獲得した9万9,430票に対し、坪田氏の票数は5万3,755と、政治経験ゼロの初陣とは思えない健闘をみせたのだ。坪田氏は落選後、結果報告とおわびのための支援者まわりを精力的にこなしながら、すでに「次」を見据えて動き出している。たった一度の躓(つまづ)きくらいはどうということもない。何度倒されても起き上がって立ち向かう――本能とも呼ぶべき闘争心は、坪田氏が幼いころから親しんだラグビーで養われた。

「アカクロ」の魂を胸に~社会的弱者のために立ち上がる

 坪田氏は、早稲田の「アカクロ」を着たラガーマンだ。アカクロは大学タイトル25回を数える名門・早稲田大学ラグビー部の正ジャージ。大学のシンボルカラーである臙脂(赤)と黒のラインが交互に並ぶユニフォームを公式戦で身にまとうことは、ラグビー部員約140人全員の目標であるだけでなく、早大ラグビー部の過酷な4年間を乗り越えた証ともなる。ラグビーはいまでも坪田氏の生き方の軸となっており、2014年には重度障がい者の車いすラグビーチーム「福岡ダンデライオン」を立ち上げて監督に就任した。社会保険労務士としてより良い職場づくりを手助けしてきた坪田氏にとって、ホームレスなどの社会的弱者や障がい者支援に取り組むのは自然な流れだったのだ。

立憲民主党の福山哲郎前幹事長と
(21年衆議院選挙で)

 坪田氏が選挙で訴えたのは、労働環境改善とコロナ対策、さらに介護業界の人手不足対策だ。坪田氏が大学4年の時、母親が病気で倒れ、父親が介護に追われる姿を見てきた。父親が仕事と介護を両立してくれなかったら中退していただろう……福祉に向き合うきっかけになったのは、そんな切実な体験だったという。「職員が福祉業界でキャリア設計を描けるよう、また、新卒の人たちが福祉や介護業界でキャリアを積んでいきたいと思えるような業界環境を整備したい」(坪田氏)。坪田氏はさらに、経済格差の是正にも積極的に取り組むべきだと訴える。非正規労働は雇用者全体の4割を占め、多くの労働者が不安定な立場にある現実は消費活動をも停滞させている。「誰も取り残されない、豊かさをわかちあえる社会づくりが必要」と語る坪田氏。ラグビーには、ミスを前提として「ミスをカバーしあう組織こそが強靭」とする文化がある。坪田氏が目指すのは、失敗した者を許容して誰も孤立させず、もう一度立ち上がるのを助けるAll for Oneの社会だ。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:坪田 晋
所在地:福岡市博多区博多駅前3-10-26 スコーレ博多501
設 立:2014年4月
TEL:092-260-9163
URL:https://www.tsubota-sr.com


<プロフィール>
坪田 晋
(つぼた すすむ)
1983年福岡市博多区生まれ。筑紫丘高校から早稲田大学に進学。幼少期からラグビーに熱中。卒業後は地元NPOでホームレスの自立支援などに携わる。2014年に社会保険労務士として独立。企業の労務顧問、障害年金手続き代行などを行う。現在は障がいをもった利用者が働く複合事業所(障がい者就労継続支援A型事業と就労移行支援事業)も運営。

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