第二自公と反自公は別政党が当然
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、立憲民主党が本末転倒な対応を改めない限り、大きな飛躍を望むことはできないと主張した11月21日付の記事を紹介する。
民主党代表選が告示された。投開票日は11月30日。
逢坂誠二元首相補佐官(62)
小川淳也元総務政務官(50)
泉健太政調会長(47)
西村智奈美元厚生労働副大臣(54)
の4名が立候補した。10月31日の衆院総選挙で立憲民主党が大惨敗し、枝野幸男代表が引責辞任したことにともなう代表選。代表選では衆院総選挙の総括が必要不可欠。メディアは枝野氏が共産党を含む野党共闘を推進したことが敗因であるとの説を流布するが実態は違う。枝野幸男氏は総選挙に際して共産党との共闘を冒涜していた。
「『野党共闘』というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う。共産党さんとは(共産、社民、れいわの3党と一致した政策に)限定した範囲で閣外から協力をいただく」。
枝野氏は、共闘の対象は国民民主と連合であって、共産、社民、れいわとは共闘しないと述べていた。10月23日に都内で行われた市民団体のイベントでも、立憲民主党の枝野幸男代表が共産党の志位和夫委員長との記念写真撮影を拒絶した。
枝野氏は野党共闘を推進したのでなく、野党共闘に背を向ける対応を示し続けたというのが実態。しかしながら、立憲民主党の議席減が現状にとどまったのは、多くの選挙区で共産党などが候補者擁立を取り下げたため。共産党を含む野党共闘のおかげで議席減を小幅にとどめることができた。枝野幸男氏は野党共闘の恩恵を最大に享受しながら野党共闘を冒涜する発言を重ねていたのである。
立憲民主党大惨敗の主因は枝野幸男氏の「コウモリ対応」にあったと総括できる。議席を得るために共産党などによる候補者擁立取り下げの恩恵を最大に享受しながら、野党共闘を冒涜する言動を重ねた。このために、共産党との共闘を否定する支持者は維新への投票に向かい、野党共闘に賛同する支持者は投票を棄権した。
衆議院総選挙では小選挙区制が軸になっており、政権与党の自公に勝利するには野党陣営の候補者一本化が重要だ。参議院選挙でも勝敗のカギを握るのは1人区で、衆院同様に野党の候補者一本化が重要である。
立憲民主党代表選の記者会見でも各候補者が候補者一本化の重要性を指摘した。しかし、基本政策路線が異なる勢力が共闘することは適切でない。選挙に勝つことは手段であって目的でない。
基本政策路線が異なる勢力が共闘して政権を獲得しても、実際に政権が発足すれば基本政策路線の相違が浮かび上がり、政権運営は混乱するばかりだ。
従って、基本政策を共有する勢力が連帯することが重要なのだ。「政策連合(オールジャパン平和と共生)」はこの主張を提示してきた。基本政策を共有する政治勢力と市民が連帯して候補者を一本化すること。これが重要なのだ。
衆院選における立憲民主党の失敗は「基本政策路線の共有」という土台の部分の論議を疎かにしたことにある。基本政策が異なるのに共闘するなら「野合」だ。広く主権者の支持を得ることはない。
代表選においては、その根本を徹底的に明らかにすることが必要だが、各候補者はその核心部分を明らかにしようとしない。
「選挙のために分裂は好ましくない」の声ばかりが強調される。「選挙のために分裂は好ましくない」として基本政策路線を確認しないまま、あいまいに共闘路線を進んだ結果、党内がばらばらになり、支持者の離反を招いたというのが今回の衆院選ではなかったか。
主権者にも異なる考え方がある。共産党と共闘すべきでないと考える者。基本政策を共有できる以上、共産党と共闘すべきだと考える者。どちらの考え方も全否定されるべきでない。
基本的な考え方を共有できる者が1つにまとまることが重要だ。党内に相容れない2つの考え方がある以上は別々の道を進むのが適正。
政党は「選挙互助会」でない。基本的な理念、哲学を共有する者の集合体だ。立憲民主党が本末転倒な対応を改めぬ限り、大いなる飛躍を望むことができない。
※続きは11月21日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「第二自公と反自公は別政党が当然」で。
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