女性が輝ける機会と職場を提供　愛し愛される会社を目指して

エントリーサービスプロモーション（株）
代表取締役社長　新井 洋子 氏

旧来の女性観に革新をもたらす

   エントリーサービスプロモーション（株）は1975年、代表の新井洋子氏によって設立された人材派遣会社である。会社設立の原点は、同氏の大学生時代に遡る。「男性は働いて家庭にお金を入れる。女性は家庭に入って子育てや家事に勤しむ」というのが一般的な時代。氏もそれは頭ではわかっていたが、会社をつくりたいという気持ちを抑えることができなかった。そんななか夫との出会いが訪れ、大学卒業後にともに夢を実現することができたのだ。

　真っ先に取り組んだのが、当時すでに東京の大手ホテルで導入されていた「パーティーコンパニオン」の請負業務。すなわち、ホテル内の各種イベント・パーティー会場で接客や受付などを担当する女性スタッフの派遣である。ホテルへの営業を地道に積み重ねてゆき、この業務を1つの職業として確立した九州初の企業となった。

　その過程で「働きたいと思っている女性は意外と多い」ということがわかり（当時、新聞で求人広告を行った際、約300～400名の女性から応募が殺到したという）、大いに驚かされたという洋子氏。そのときの「女性が輝ける職場を」という想いは、「若さ・情熱・信頼」を合言葉に多方面へ幅広く人材派遣を手がける現在の「エントリーグループ」の信念でもある。

逆境も味方に、スタッフが誇れる企業へ

　東京オリンピック開催が予定されていた2020年、開催時期が近づくにつれて同社も多くの問い合わせを受けていたが、そこへ新型コロナウイルス感染症の拡大が始まり、多くのイベントが中止に。一気に苦境に立たされた同社だが、そんななかでも今までの実績が認められオリンピックサーフィン競技の運営に関わる機会を得た。「貴重な体験ができた」と誇らしげな表情を浮かべる社員たち。氏はこの2年間を振り返りつつこう語る。

　「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、業務体制が大きく変わりました。しかし今は、それをプラスにとらえているところもあります。この出来事がなければ私はずっと変わらず働きづくめの毎日だったと思うんです。でも少し時間ができたことで、自分の生き方を見直したり、会社のこれからの在り方を考えたりすることができました。また、ピンチに陥ったからこそ、社員をはじめとする当社に関わる人たちの、自社に対する愛情も実感することができましたね」。

　「人が好き」という想いで、関わる人々1人ひとりに愛をもって接する洋子氏のもとには、何があってもこのひとについていきたい、会社のために今自分にできることに精一杯取り組んでいきたいという、心強い部下たちであふれている。「人を育て、人を活かす」をモットーに、社員にとって自慢になるような会社をつくっていきたいと話す同氏。そのマインドを次世代につなげる準備もしつつ、今後もいっそうたくさんの女性を輝かせてくれるに違いない。

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：新井　洋子
所在地：福岡市中央区天神3-6-26
設　立：1975年6月
資本金：1億円
ＴＥＬ：092-712-4505
ＵＲＬ：http://www.entryservice.co.jp

＜プロフィール＞
新井　洋子（あらい　ひろこ）
宮崎県延岡市出身。1951年生まれ。福岡大学人文学部卒。75年6月にエントリーサービスプロモーション（株）を設立。現在は同社のほか、（株）ビッグベン（株）サンエーサービス、エントリースタッフ（株）を束ねるエントリーグループの代表。全国間税会総連合会女性部長、福岡商工会議所常議員、福岡経済同友会幹事、福岡キワニスクラブ副会長なども務める。