脊振山系の豊かな自然を 未来の子どもたちに残すために
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脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行 氏魅力あふれる脊振の自然に育まれて
「脊振の自然を愛する会」は、SDGsが叫ばれるようになる以前から脊振の魅力を発信し、その豊かな自然を保護するための活動を行ってきた。ブナ林をはじめとする多くの広葉樹で福岡・佐賀両県の大切な水資源を育んでいる脊振山系。登山愛好家には基山(きざん)から脊振山〜金山〜井原山〜雷山〜十坊山(とんぼやま)の70kmにおよぶロングコースを提供し、四季折々の植物で迎えてくれる。春はコバノミツバツツジやツクシシャクナゲ、夏は群生するオオキツネノカミソリ、など。
私が脊振の魅力に出会ったのは、学生時代、ワンダーフォーゲル部に入部したことがきっかけだった。雷山・野呂高原の山小屋に宿泊し、夜はキャンプファイヤー…熱いムードに満ちた新人会歓迎登山のことは今も忘れられない。50代で脊振の写真撮影を開始。2008年1月には10年間撮り貯めた写真集『脊振讃歌』を出版した。脊振に恩返しをと思うようになったのもその頃である。
脊振に恩返しを
真っ先に取り組んだのが、道標を立てることだった。大学3年時に大学創立50周年記念行事として脊振山〜十坊山の約40kmに道標60本を立てたが、すっかり朽ち果ててしまっていた。ワンゲル部50周年記念行事として早良区の荒瀬泰子区⻑(現・副市長)に快諾を得、08年8月、現役学生やOB、区役所職員たちと力を合わせて糸島市の木工作業所で道標を制作、10月から11月末にかけて毎週、OBや学生たちと設置していった。このときは早良区エリアに道標と登山地図を合わせ 42本を設置した。その後、4年間で合計70本の道標を設置。同時期に同じ活動を行っていた糸島市の伊都遊歩道クラブとともに脊振山〜十坊山に合計270本の道標を設定した。道標設置完成記念で糸島市と連携して脊振山系の山開きを開催した。
12年の「脊振の自然を愛する会」発足後は、行政や各ボランティア団体とも連携しながら、クリーンアップ登山、山開き、自然観察会、ブナ林調査、野河内渓谷整備事業、脊振サミットと、脊振の自然を守るためにいっそう幅広く活動している。19年にはその功績が認められ、環境省自然歩道関係功労者賞を受賞。20年には日本山岳資産認定を受け、ドコモ CS九州の協力も得て脊振山〜三瀬峠にレスキューポイント24本、携帯電話受信ポイント3本を設置した。最近では、福岡平成ロータリークラブの支援のもと、脊振山への登山拠点になる早良区の椎原バス停に登山地図を設置した。自然豊かな脊振山系が未来の子どもたちに残されることを願っている。
<INFORMATION>
代 表 :池田 友行
所在地 :福岡市早良区
設 立 :2012年6月
URL:https://ameblo.jp/yamaniyukio
<プロフィール>
池田 友行(いけだ ともゆき)
1944年生まれ、西南学院大学卒業、ワンダーフォーゲル部OB。写真業界、ソニーマーケティング(株)勤務。写真集:『脊振讃歌』『脊振讃歌II』、『北アルプス展望』。全日本弓道連盟、全日本スキー連盟会員。脊振の自然を愛する会は福岡市環境行動賞・優秀賞、環境省自然歩道関係功労者表彰、など受賞。2020年日本山岳資産認定。関連キーワード
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