「化粧品」「医薬部外品」で広告の苦情が急増~JARO「2021年度上半期審査状況」
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(公社)日本広告審査機構(JARO)が7日発表した「2021年度上半期審査状況」によると、4~9月に受け付けた広告に関する相談は前年同期比8.5%減の7,292件となった。「健康食品」の広告に関する相談が大幅に減少した一方で、「化粧品」「医薬部外品」が急増した。
相談のうち「苦情」の件数を業種別で見ると、上位は1位「化粧品」、2位「医薬部外品」、3位「オンラインゲーム」、4位「携帯電話サービス」、5位「健康食品」。
「化粧品」の広告に関する苦情は480件。前年同期の252件から倍増した。医薬品のような効能効果の表現や、「鼻の角栓の画像が気持ち悪い」といった不快な表現に関するものが多かった。
「医薬部外品」の苦情も同276件から361件に急増。育毛剤や口腔ケア製品などの広告に関する苦情が多数寄せられた。
一方、「健康食品」は216件で、前年同期の約3分の1に減少した。
「お試し無料」などとうたいながら、実際は複数回の購入が条件という定期購入契約に関する苦情は144件を数え、減少に転じる様子は見られない。内訳は「化粧品」が50件、「健康食品」が43件、「医薬部外品」が34件、「CBD(カンナビジオール)関連製品」が3件など。
取材に対し、JAROでは「全体の相談件数は前年同期よりも減少したが、これは20年度上半期に相談件数が急増したことの反動であり、例年と比べると増加傾向が続いている」(広報担当)と説明している。
ヘルスケア業界では、特定商取引法や医薬品医療機器等法の改正、アフィリエイト広告をめぐる刑事事件などの影響で、行き過ぎた「健康食品」の広告を控える傾向にある。アフィリエイト広告を作成するアフィリエイターも、活動分野を「健康食品」から「化粧品」などへシフトしているとみられる。
【木村 祐作】
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