革新勢力を潰そうとするCIA工作
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は日本政治刷新の方向性を明確に示す「たしかな野党」の再建・強化が必要性を訴えた12月7日付の記事を紹介する。
日本政治の今後を考えるためには、これまでの経過を正確に振り返ることが必要。
現在は過去の延長線上に位置し、未来もその延長線上に位置するからだ。
小選挙区制度の下で政権交代は生じないと述べる者がいるが、これは事実に反する。
2009年、日本の主権者は自らの意思で政権の刷新を選択した。
鳩山民主党は2009年8月総選挙に大勝した。
この選挙では投票率が約7割にまで上昇した。
政権交代が生じないのは政権交代を生じさせる状況が生まれていないことが原因であって、政権交代は起こり得ないと考えるのは事実誤認。
2009年の政権交代は画期的な意味を有していた。
敗戦後日本の政治構造を根底から刷新する壮大な構想が描かれていた。
鳩山内閣は3つの重要な公約を提示した。
第一は辺野古での米軍基地建設を中止すること。
第二は官僚の天下りを根絶すること。
第三は企業団体献金を全面禁止すること。
米国による日本支配、官僚による日本支配、大資本による日本支配の基本構造を打破しようとした。
それだけに、日本の既得権勢力の反発はすさまじかった。
日本既得権勢力の本尊はいうまでもない。
米国の支配者である。
米国の支配者が基軸になって鳩山内閣に対する総攻撃が展開された。
鳩山由紀夫氏、小沢一郎氏に対する人物破壊工作が遂行された。
目的のためには手段を選ばぬ卑劣で不正な攻撃だった。
そして、重要なことは鳩山内閣を破壊するために、民主党内に潜む既得権勢力が工作者として活用されたこと。
辺野古移設見直しを阻止したのは民主党内の閣僚だった。
菅直人、岡田克也、北澤俊美、前原誠司、平野博文の各氏は面従腹背だった。
彼らが忠誠を尽くしたのは内閣総理大臣ではなく日米合同委員会、米国の支配者=ディープ・ステートだったと考えられる。
最重要課題の辺野古移設見直しを妨害された鳩山首相は、そのことで退陣に追い込まれた。
鳩山内閣は米国、官僚機構、大資本という日本の既得権勢力の中核をなす米官業トライアングル支配の構造を打破しようとした。
そのために、これらの勢力から総攻撃を受けた。
既得権勢力が刑事司法とマスメディアを支配していることが大きい。
鳩山首相が総攻撃を受ける様子を間近に観察した菅直人氏は既得権勢力の側に寝返った。
寝返ることにより権力を奪取したのである。
この意味で2010年7月に重要な断絶がある。
日本政治刷新を目指す革新政権は2009年9月から2010年7月までの9ヵ月で終焉した。
2010年7月に発足した菅直人内閣は既得権勢力による傀儡政権に転落していた。
菅内閣は発足すると直ちに辺野古米軍基地建設を容認するとともに、党の公約を破棄するかたちで消費税率を10%に引き上げることを2010年7月参院選公約として提示した。
この菅直人内閣が参院選で惨敗したのは当然の帰結だった。
菅直人氏は参院選を菅内閣に対する信任選挙だと位置づけた。
毎日新聞インタビューで、このことを明言したのは枝野幸男幹事長。
選挙に惨敗した菅直人氏は、この瞬間に辞職すべきだったが、そこから1年も首相の座に居座った。
後継首相に就任すべきは当然、小沢一郎氏だったが、9月14日に実施された民主党代表選は歴史的な不正選挙だったと考えられる。
茨城県の筑波学園郵便局に郵送された党員・サポーター投票の集計を委託されたのが(株)ムサシ。
投票用はがきにはプライバシー・シールが貼られていなかった。
大量の小沢一郎氏票が廃棄された疑いが濃厚である。
菅直人氏は続投し、翌年には野田佳彦氏が後継首相に就任した。
野田佳彦氏こそ、「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と絶叫した中心人物だった。
菅直人氏と野田佳彦氏が傀儡政権トップに立ったため、民主党に対する評価は地に堕ちた。
私たちは歴史事実を詳細に検証し、事実誤認を正すことが必要だ。
鳩山内閣は辺野古米軍基地建設阻止の基本方針を貫くべきだった。
外務省による虚偽情報提供という情報操作により鳩山首相は辺野古移設措置の基本路線を断念してしまった。
このこと自体については反省点であり、鳩山元首相自身も率直に認めている。
だが、鳩山内閣が目指した方向は正しかった。
このことを正しく再認識することが必要だ。
鳩山内閣の崩壊を誘導した勢力が政権の実権を奪った。
政権強奪と言って過言でない。
政権を強奪した勢力が鳩山内閣の基本方針をことごとく破壊した。
辺野古米軍基地建設と消費税増税が推進され、天下り根絶と企業団体献金全面禁止方針は闇に葬られた。
主権者は失望し、民主党政権は失敗であったとの烙印が押された。
※続きは12月7日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「革新勢力を潰そうとするCIA工作」で。
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