「恒大危機」は世界経済を揺さぶるのか(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏世界経済への影響は
今回の恒大集団の危機は、借り入れを増やして投資を行い、不動産開発によって経済成長を遂げてきた共産党政権の経済運営が限界を迎えたことを示唆する象徴的な出来事だという意見がある。一部では「恒大危機」が第2のリーマン・ショックに発展するのではないかと危惧する声もある。リーマン・ブラザースは2000年代後半の米国の住宅バブル崩壊により破産した。負債規模は約6000億ドルで、リーマン・ショックが世界金融危機のトリガーとなった。
恒大集団の負債規模は、リーマン・ブラザースの半分ほどだが、中国国内における連鎖倒産が懸念されている。いずれにせよ、恒大危機が中国経済の減速を一段と鮮明にする要因となるのは間違いない。中国経済の減速が現実のものとなれば、中国とつながりの強い韓国をはじめ、アジア新興国、ひいては世界経済にもマイナスの影響を及ぼすことになるだろう。
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中国経済新聞に学ぶ~恒大ショックで不動産業界への不安高まる(前)中国政府は経済への影響を少しでも減らすため、恒大危機のソフトランディングを図っている。しかし、恒大危機が完全に終息するまで、世界経済への影響は数カ月間にわたって続くことになるだろう。
恒大危機の影響を受け、株式市場、為替市場、仮想通貨市場にもしわ寄せがきている。どのような影響があるかは未知数だが、当分の間、ドル高傾向が続くことは間違いない。人民元と連動しているウォンも、ウォン安圧力がかかっている。一方、恒大集団の危機説が噂されてから数カ月経っているので、その間に何らかの対策が講じられているだろうし、負債規模もリーマンの半分程度であり、恒大集団の負債総額は中国の金融機関貸出総額約2,733兆円(2020年末)に対して、約1.2%に過ぎないので、それほど世界経済に与える影響は大きくないとの主張もある。
中国政府の対応次第で、どのような展開になるかは誰にも予測できない。恒大危機の推移を今後も注視していく必要があるだろう。
(了)
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