2024年09月08日( 日 )

「孤独」を脱却するために、すべての人に居場所を創出

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workeasy(株) 代表取締役社長
佐治 浩一郎 氏

 「誰でもオンラインで自分の居場所をつくれる・みつかるオンラインルームサービス」として、2021年12月にリリースされたアプリ「corom」。コロナ禍の終わりも見えないなか、急激に人との関わりを遮断された現代で、どのような存在意義をはたせるか。「corom」を運営するworkeasy(株)の創設者である佐治浩一郎氏に話を聞いた。

日本人の29.8%が孤独を感じている

 ──「corom」開発の経緯についてお聞かせください。

workeazy(株) 代表取締役 佐治 浩一郎 氏
workeazy(株)
代表取締役 佐治 浩一郎 氏

 佐治浩一郎氏(以下、佐治) 日本は、世界一若者が自殺をする国だと言われています。自殺をしてしまう理由については様々ですが、居場所を見つけることができず孤独を感じてしまうという人も多いそうです。そこで、誰もが簡単に、オンラインで交流できる空間をつくりたいと考えたことが始まりです。

 coromは、誰でも自分の居場所をつくれ、見つけられるオンラインルームサービスとして展開しています。2回のタップで部屋に入れ、3回のタップで部屋をつくることができます。アイコンとアイコンを近づけることでコミュニケーションできるのですが、いかにUIを現実世界に近いものにするかという点に力を入れました。たとえば、アイコンの距離で音量が変わる、アイコンを重ねると、重なっている人のみでコソコソ話ができる、などです。普段会話するように、直感で操作できる仕組みなので、誰でも簡単に利用していただけます。また、カメラ機能は一切使用できないことも特徴で、とくに女性の方にご好評いただいています。

corom 紹介
corom 紹介

 ──どのような使われ方が多いのでしょうか。

 佐治 誰でも簡単にルームをつくることができるという特徴を生かし、オンライン占い、カウンセリング、就労支援相談所、オンラインサロンなどの面談方式の集まりに使用されています。また、特段誰かと話すわけではなく、ただ通話をつなげるだけの「もくもく会」に使用されることも多いです。集中しなければならない時に1人では気が散ってしまうという人たちが「誰かと一緒に頑張っている」という一体感を、もくもく会を通じて感じることで「やらなければならない」という気持ちが掻き立てられるのだそうです。

corom 利用風景
corom 利用風景

人と人とのつながりを創出し、さらにより良い未来へ

 ──最後に、自社のプロダクトを通して、叶えたい世界観を教えてください。

 佐治 私の経営者としての目標は「時価総額1兆円の会社にする」です。当社の強みは開発力です。coromは着想からおよそ3カ月半でリリースにこぎ着けました。また、2022年4月にはインドネシアでも coromの公開を決定しています。今後は、東南アジア各国に拡げていく予定です。

 コロナ禍の後押しもあり、時間や場所に縛られないワークスタイルが一般的になった一方で、人と人とのコミュニケーション量が減り、または無機質になり、そのことで孤独や虚無感といった心の問題を抱える人も増えています。SNSが居場所の1つになってはいますが、「大きな声で発言できない人」にとってはそれでもハードルが高いのです。

 当社が目指すのは、そういった人たちでも参加できる「居場所」の創出です。coromを通じて、仲間・自己肯定感・安心感といった人生で大切なことと出会う機会を提供し続け、今まで埋もれていた才能ある人たちがより社会で活躍できるようになり、日本や世界の経済活性化に貢献していくのではないかと思います。そして、いつの日か死ぬ時に誰もが「生まれてきて良かった」と思える世界を実現していきます。

【立野 夏海】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:佐治 浩一郎
所在地:福岡市早良区西新2-7-8
設 立:2014年3月
資本金:2,648万8,000円
URL:https://workeasy.jp/


<プロフィール>
佐治 浩一郎
(さじ こういちろう)
1988年東京都新宿区生まれ。13歳からボクシングを習い、17歳の高校在学中にプロテストに合格。19歳で引退した後、21歳で光通信に就職。23歳のときに東日本大震災が起こり福岡転勤。25歳にworkeasy(株)(旧・(株)ライジングアドバンス)を設立。趣味は歌、ピアノ、釣り。

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