【国政】維新・鈴木宗男のウクライナ非難が波紋
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ロシアの侵攻よりもウクライナの「約束違反」を問題視する鈴木宗男参院議員(維新副代表)の発言が物議を醸している。同氏の2月26日のブログ「ムネオ日記」で「ゼレンスキーが大統領になってからミンスク合意、停戦合意を履行しなかったことが今日の事態を招いている」とウクライナを非難。メデイアの姿勢についても「一方的にロシアを批判する前に、民主主義、自由主義は約束を守るが基本である。その約束を守らなかったのはどの国で、誰かを何故メディアは報じないのか」と問題視。ウクライナの約束違反をまず報道すべきと訴えたのだ。
このムネオ日記をJames D.J. Brown(テンプル大学准教授)が「日本の国会議員の鈴木宗男(維新)は、ロシアの侵略についてウクライナを非難し続けている」とツイッターで紹介。石川県知事選の馳浩候補(維新推薦)の応援演説中の鈴木氏の写真も貼りつけられていた。「先週の長崎県知事選挙も接戦をものにしたので、はせ浩候補もあやかりたいものである」(ムネオ日記)とあるように、長崎に続いて石川でも「維新(推薦)の知事」誕生を狙う活動報告とともに、ウクライナ非難の発信をしていたのだ。
この“ムネオ発言”にセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使が「何と残念なことだ、嫌なことだ!(What a shame, disgusting!)」と27日のツイッターで発信。ネット上でも広がり、宗男氏自身や所属する維新への批判が相次ぐことにもなったのだ。
そのウクライナ大使に立憲民主党の泉健太代表が3月1日、ウクライナ大使館で面会をした。党大会のウクライナ決議文を手渡した後、衆院に続いて参院でもロシア非難決議が採択されるとも伝えた。すると、大使は「日本の国民の支援を実感しています」とお礼を述べながら、大使館開設の支援口座に寄付をした日本人が6万人に達し、合計額が20億円近いことも初めて公表。そして、特命全権大使はこう続けた。
「ウクライナでは社会生活が破壊されており、学校・病院・水道・行政機関などが破壊されていて、非常に膨大な金額が復興に必要になります。すべてのいただいた寄付、金額は、人道支援やプロジェクトに活用されます」。
面談後、泉代表が囲み取材に応じたので、「鈴木宗男氏の話は出なかったのか」と聞くと、「出ない」と回答。続いて「(ウクライナの)ミンクス合意や停戦合意の不履行が今回の侵攻、状況を招いたと、まるでウクライナの約束違反が原因だということを指摘している」とムネオ発言を紹介してコメントを求めると、泉代表はこう答えた。
「大使としては問題外というか、相手にしていないのではないかと思う」「(ロシアは)明らかにウクライナに侵攻している。これは、主権の侵害であり、領土の一体性を壊すものですから、我々は従来通り話をしている通り、ロシアの行為は許されない行為だと思う」。
さらに、「(ヒトラー想起の)菅元首相発言よりももっと問題だと思うが、党として抗議とか、撤回を求めるとかしないのか」と党としての対応についても聞いてみたが、泉代表はまだ読んでいなかったため、具体的なコメントは避けた。今後、泉代表がムネオ日記を読んだ上でどう対応するのかが注目される。
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囲み取材では、安倍元首相の核共有議論発言の関連質問も出た。
──(産経新聞)安倍元総理から「日本の領土内にアメリカの核を配備して核共有をする議論をしてもいいのではないか」という話があったが、代表としての見解を聞きたい。
泉代表 ウクライナの皆さまもまさに、核は使われるべきではないという考え方だと思う。その意味では、核はお互いにもたないべき兵器であるので、とくに日本は被爆国ですので、我々がもつという態度、あるいは持ち込ませるという態度ではいけないと思っている。
──(産経)議論すらいけないと。
泉代表 よくありますよね、「議論はいいのだ」という話ですが、だったら何でも議論はいいのか。私は「それは違う」と思う。何だって議論をしてはいけないと思う。
【ジャーナリスト/横田 一】
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