ヌーランドと極右勢力の真実
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は平和を維持するための鉄則は紛争解決のために武力を行使しないことだと訴えた3月6日付の記事を紹介する。
メディアが流す情報は統制が取れている。
悪魔のロシア。
正義のウクライナ。
そして、正義を代表する米国。
世界はいまロシアを打倒するために結束している。
そして、悪魔のロシアによって攻撃を受けるウクライナを支援しなければならない。
悪魔の帝国を殲滅するため、先頭に立つ正義の騎士は米国である。
こうした情報の「流れ」が形成されている。
このとき、この「流れ」に抗することは極めて困難になる。
留意が求められるのは、一連のプロセスを創出する主体が存在するのかどうか。
シナリオライター、演出家、総合プロデューサーが存在するとなると、全体を鵜呑みにするわけにはいかない。
現代の戦争の最重要側面としての「情報戦」が浮かび上がる。
「情報戦」の最先端を進むのが米国だ。
徹底的な用意周到さを持ち合わせている。
逆にいえば、どのような情報戦略があるのかを知ることが必要になる。
私たち一般の市民にこれは難しい。
しかし、人々に情報戦の裏側を教える教師が登場するなら状況は変化する。
現在のウクライナ問題を理解するには、ウクライナの歴史を知る必要がある。
ウクライナは東と西を分ける要衝に立地する国。
南側は黒海に面している。
地政学上の要衝である。
このウクライナで二度の政変が生じている。
2004年のオレンジ革命と2014年の政権転覆。
共通するのは2つの革命の裏側に米国が存在していること。
影の主役は米国と言ってよいだろう。
2つの革命を経てウクライナは親ロから親欧米に転じた。
もう1つ見落とせない重要事実がある。
ウクライナの民族構成だ。
北西部はウクライナ人が大勢を占める。
これに対して、南東部はロシア系住民が太宗を占める。
ウクライナは民族的に二分されるのだ。
2004年と2014年の政権転覆がどのように遂行されたのかを、米国を代表する映画監督のオリバー・ストーンが鮮明に描く。
作品名は『ウクライナ・オン・ファイヤー』。
2016年の作品である。
日本語字幕付きの動画を閲覧することができる。
「ウクライナ・オン・ファイヤー」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm4013443490分程度の作品だが、全世界必見の優良作品だ。
メルマガ読者も教示してくださった。
この作品が教えてくれる最重要のテーマは、「情報の流れ」が人為的に創作されていること。
政治的に重大なイベントが発生する。
そのイベントは用意周到に準備され、実行される。
しかし、その際に決定的に重要になるのは、そのイベントをどの色に染めて伝えるのかである。
当然のことながら、巨大なお金が動く。
そして、そのイベントをメディアがどのように人々に伝達するか。
「お金」と「メディア」がキーワードになる。
イベント実現に向けて地道に努力を積み重ねるのが米国の情報機関であるCIA。
実行部隊は米国の外務省=国務省と大資本支配下のメディアが担う。
長きにわたって米国のウクライナ担当を務めてきたのがバイデンとヌーランドである。
ウクライナ問題を考えるに際しては、すべての人が、まずこの作品を閲覧することが有用だ。
メディアが流す情報に対する捉え方が必ず変わるはずだ。
2014年の政変は、暴力革命と称するのが適切だろう。
ウクライナの極右組織と米国国務省、米国のネオコン勢力が結託して、ウクラ
イナの政権転覆を企てたと考えられる。その政権転覆は2004年の革命の焼き直しである。
2004年の大統領選挙に対する異議が提示された。
大統領選挙がやり直されることになった。
そのやり直し選挙の直前、親欧米候補のユシチェンコに異変が生じた。
毒物中毒によって顔面に深刻なただれが生じたのである。
ユシチェンコサイドは、ロシア側の謀略だと訴えた。
この出来事が大統領選に強い影響を与えたと考えられる。
ユシチェンコが大統領に選出された。
しかし、毒物中毒の真相は不明。
シナリオライターが存在する場合、ユシチェンコを悲劇のヒーローに仕立てることは十分に考えられる。
悲劇のヒーロー、ヒロインを創出することは2014年政変でも観察されている。
戦乱が生じる際に、攻撃を受ける側に立つ報道には定石がある。
子どもが被害に遭う場面を報道すること。
女性や高齢者が被害に遭う場面を報道すること。
今回の事変ではゼレンスキー大統領を悲劇のヒーローに仕立てる演出が施される可能性もあるだろう。
ウクライナには極右勢力が残存する。
プーチン大統領がウクライナのナチズム排除を訴えているが、ウクライナにはナチスドイツに協力してユダヤ人虐殺に加担した勢力が存続しているのだ。
その極右勢力を温存してきたのが米国CIAである。
※続きは3月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「ヌーランドと極右勢力の真実」で。
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