2024年12月22日( 日 )

【ウクライナ侵攻】理想主義は「お花畑」 維新・藤田幹事長が鈴木宗男を擁護(前)

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 維新の藤田文武幹事長は2日の会見で、副代表の鈴木宗男参院議員のウクライナ非難発言(同日付NetIB-News「【国政】維新・鈴木宗男のウクライナ非難が波紋」参照)について釈明した。フリーの堀田喬記者の質問を受けて、次のように答えた。

藤田 文武 幹事長
藤田 文武 幹事長

 「先ほど役員会でもその議題がありまして、鈴木宗男副代表からもいろいろコメントをいただいた。このなかで、いろいろ切り取りや、本来、鈴木副代表が意図していない拡散のされ方もSNSなどであり、改めて皆様に伝えたいと思うが、鈴木副代表は今週月曜日(2月28日)の予算委員会の時にも公式に発言をしているが、ロシアの今回の軍事侵攻、力を背景とする現状変更は『認められない』と非難している。これが大原則で、我々の党の公式見解と全く違わぬものと認識している」。

 正直言って唖然とした。NetIB-News(2日付)で紹介したムネオ日記(2月26日)の内容と維新の公式見解には、大きなギャップがあったからだ。そこで「鈴木宗男発言を隠蔽改竄しないでほしい」と切り出し、こう問いただした。

 ──2月26日のムネオ日記にどう書いてあるかというと、「ゼレンスキー大統領になってから、ミンスク合意、停戦合意を履行しなかったことが今日の事態を招いている」とウクライナを非難したうえで、メデイアについても「一方的にロシアを批判する前に、民主主義、自由主義は約束を守るのが基本である。その約束を守らなかったのはどの国で誰かをメデイアは報じないのか」と(書いている)。ウクライナの約束違反がロシアの侵攻を招いて、ウクライナの自業自得、因果応報とはっきり発信し、これに対してウクライナの大使が「何と残念なことだ、嫌なことだ」と(ツイート)。その後、泉代表と会った後に取材を申し込んだら、「ロシア側のプロパガンダにいちいちコメントする必要はない」と(面談取材を断ってきた)。「維新の副代表がロシア側のプロパガンダの片棒を担いでいる」という捉え方を(ウクライナ大使は)しているが、藤田幹事長のムネオ発言に対する見解と、党として何も対応しない方針は変わらないのかを聞きたい。

 藤田幹事長(以下、藤田) 鈴木宗男代表に「さまざまなツイッターやブログで、さまざまな捉え方がありますよ」ということは、私も後輩議員ながら申し上げ、ここにいる足立康史議員(政調会長)からも「こういう捉え方をされる危険性があります」と申し上げた。戦争に至る経緯や外交のこれまでの時系列などに、さまざまなすれ違いや見解、両者のそれぞれの側から見た見解があることは歴史のどの部分を切り取っても明らかなことと思う。

 そのなかで鈴木宗男副代表は、鈴木副代表なりの情報ルート、そして歴史の見方を表現されたり解説されたり、後輩に伝えようとしていると私は受け止めていて、全否定されるものではないと思うが、我が党としては「捉われ方」として、侵略者であるプーチン大統領を我々は非難、決議もしているわけだから、それを過度に擁護する、そのプロパガンダに加担してしまうように捉えられるのであれば、本意ではないと思う。

 平行線の質疑応答となったが、私が問題視したのは、ムネオ日誌にあるウクライナ非難の部分がすっぽりと抜け落ちていたことだ。しかも鈴木氏は党副代表で、安倍元首相に北方領土問題で助言するほどのロシア通でもある。役職を持たないヒラの国会議員が、専門外のことを発信したのとは違う。納得できる回答ではなかったため、「捉え方の問題ではない」と反論したうえで再質問を行った。

 ──ムネオ日記の部分を普通に読めば、ロシアの侵攻の原因をつくったのは(約束違反の)ウクライナで、ウクライナこそ非難されるべきだと。「ロシアの侵攻を擁護する」と捉えかねないプロパガンダ的なことを言っていて、それでウクライナの大使がツイッターで抗議していると。維新の正式見解として「ウクライナにも非があった」「それで侵攻を招いた面もある」など宗男さんの意見も盛り込まないとバランスがとれないのではないか。勝手に切り取って都合よく解釈しているとしか(思えない)。

 藤田 「ウクライナ側にも非があり、それが原因でロシアが攻めた」という公式見解は一切ない。

(つづく)

【ジャーナリスト/横田 一】

(後)

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