【脊振の自然に魅せられて】ゲレンデにて(後)
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午前中、仲間と1時間ほど滑り、レストハウスの野外ベンチで昼食をとった。目前には、優しい姿の一目山が微笑んでいた。緩い山の裾野はススキで覆われ、登山道が一直線に山頂へ続いている。歩けば15分ほどで山頂に届く距離である。
一目山は九重を代表する湧蓋山へと連なり、山頂を下ると歴史のある筋湯温泉に出る。あと少し経てば九重名物の野焼きが始まる。
そんな素敵な場所での昼食。握り飯やカップラーメンもあり、さながら大人の遠足である。吹き付ける強風がビニール袋を飛ばす。慌てて手で押さえる。暖かい陽だまりのなか、ゆっくりと時間が過ぎて行く。食べ終わると、それぞれが持参した嗜好品を差し出した。チュコレートもあれば甘納豆もある。仲間とのひと時である。
野外は風も強いので体も冷えてきた。レストハウスに入りコーヒータイムにした。歓談していると、「Hさんも来ているよ」と耳にした。携帯電話で彼に電話する。Hは気が合うスキーの先輩である(年下だが)。
彼は、しばらくして顔を出してくれた。「今日は非番です」と。いつもは、このスキー場のインストラクターに所属し指導している。正指導員なのでスキーもうまい。筆者も、中学校の修学旅行でインストラクターが足らず、大分県連やスキー場から要請があり幾度か手伝った。
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『脊振の自然に魅せられて』新雪の脊振山(前)午後から、筆者を含む5人で滑る。着ているウエアは色とりどりである。小型カメラで動画を撮影していると、筆者も撮影してあげるよとH。前後の滑りを撮影してもらった。2人乗りのリフトでHとよく語った。仙台に在住し、5歳でスキーを始めたという。うまいはずである。
午後からの滑りもあっという間に時間が過ぎた。時計は午後3時近くになっていた。そろそろ仲間との滑りは終了である。帰りのスキーバスは午後4時には出発する。
仲間たちは70歳を過ぎたオールドスキーヤーで、最高齢者は筆者で78歳目前である。仲間はスキー場では若く見え、エネルギッシュである。
スキーは生涯スポーツでもあり、自然を相手にするので天気もあれば雪や雨もある。大自然のなかで風を受けながら、山の斜面を滑ることほど爽快なものはない。スピードも出るが、相応のスキルで滑ればよい。
昨年12月から、人工芝スキー場で団体の子どもたちにスキーの楽しさを教え、子どもたちと一緒にスキーを楽しんでいる(月に数回要請あり)。スキーはいくつになっても楽しいスポーツである。
帰宅後に筆者の動画を見るとガッカリであった。華麗な滑りとはかけ離れていた。もっと練習しなければと反省した。
九重ハイランドスキー場は人工降雪を備え、九州ではスケールの大きいスキー場である。九州には、熊本県と宮崎県の県境にある五ヶ瀬ハイランドスキー場と合わせて2カ所ある(世話になった天山スキー場は今年廃業)。
(了)
福岡スキー連盟所属 福岡スベロー会会員
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行関連キーワード
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