古賀市インキュベーション施設に、県外企業3社が同時進出！

　古賀市のインキュベーション施設「快生館」に県外企業3社が進出することが決まり、30日に3社同時の進出協定締結式が開催された。

　快生館は、古賀市・薬王寺温泉にあった閉鎖された温泉旅館をリノベーションし、天然温泉付きのシェアオフィスやコワーキングスペース、サテライトオフィスなどのインキュベーション施設として2021年10月末にリニューアルオープンしたもの。施設の運営は、（株）SALT（福岡市西区、須賀大介代表）が手がけている。

　今回、古賀市への進出を決めたのは、サテライトオフィス誘致支援事業などを手がける（株）あわえ（徳島県美波町、吉田基晴代表）のほか、恋活・婚活コミュニティの運営事業などを手がけるコミュニティ婚活（株）（神奈川県横浜市中区、松浦千恵代表）、起業家育成支援事業などを手がける（株）ロコガイド（東京都港区、堀口育代代表）の3社。3社はともに快生館を拠点としてそれぞれの事業活動を行うほか、SALTも含めた4社で共同事業体を形成し、コミュニティ形成を核とした温泉ワーケーションなどの推進事業を行っていく予定としている。

　30日の締結式では、田辺一城・古賀市長のほか、進出企業3社の関係者らやSALT・須賀代表らが出席。それぞれ、今回の協定締結にかける思いを語った。

　「この薬王寺を発信源として、古賀市全体を元気にしていくほか、福岡県が元気になり、そして全国の地方都市の可能性が広がっていく――。今回の進出協定の締結が、そのきっかけとなることを期待していますし、そのために我々も頑張っていくことを改めてお約束します」（田辺市長）。

　「この快生館を拠点に、進出企業の各社や地域の方々が集まって、コミュニティを形成していく。その取りまとめを行いながら、新たな方々にもどんどんと出てきていただける取り組みを、いろいろと展開していきたいと考えています」（あわえ・執行役員／地方創生推進部長・吉田和史氏）。

　「移住婚やUターン婚などの潜在ニーズをもつ独身者層と、地域・自治体・地元企業さまとをつなぐコミュニティの形成は、地方の課題解決の一助になると考えています。我々の取り組みが、古賀市や古賀市民の皆さま、地元企業さまのお役に立てるよう、楽しんで活動していきたいと思っています」（コミュニティ婚活・松浦代表）。

    「今回、古賀市では起業家育成事業に取り組ませていただきますが、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいという方々を応援し、情報発信するだけでなく行動変容まで促していくような、そうした取り組みを行っていきたいと考えています」（ロコガイド・地方情報部／シニアディレクター・石井一弘氏）。

　「この快生館を拠点に、今回進出された企業さまだけでなく、いろいろな人材や企業さまが交じり合って、可能性を生み出していけるような――そうした場所にしていきたいと思っています」（SALT・須賀代表）。

　なお、今回締結された進出協定は、進出企業の円滑な事業活動の展開や、地域経済の発展に寄与することを目的としたもの。進出企業は快生館内に事業所を構えて、地元企業との連携強化や雇用創出への寄与などの地域経済の振興に取り組む一方で、市側は進出企業の円滑な事業活動に向けて支援を行っていく。進出協定の期間は、23年3月末までとなっている。

　古賀市では現在、「クロスオーバー」をキーワードに薬王寺・快生館を舞台として、市内外の多様な人材の交流により、それぞれ経験や知見などが交差し合い、「掛け算」することで新たな価値を生み出していく取り組みを行っている。今回の3社進出をきっかけとして、その取り組みがさらに加速していくことを期待したい。

【坂田　憲治】

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