テラ暴落で仮想通貨市場に激震(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏テラ(Terra)が紙くず同然に
韓国のコインとして時価総額トップ10圏内にあった仮想通貨「Terra(LUNA)」の価格が99%以上も下落し、投資家たちに激震が走った。仮想通貨市場で、ドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計されたステーブルコインの「テラUST」が急落し、あまりにも突然の出来事に市場はパニックに陥っている。
米国の利上げなどで金融市場が委縮し、仮想通貨市場もその影響でコインの価格が軒並み下がっていたなかで、仮想通貨市場から資金が流出したことをきっかけに、価値を保つためのアルゴリズムが機能しなくなり、テラは暴落した。
以前からテラのアルゴリズムには疑念がもたれていたが、今回テラは金融勢力の売り圧力に屈し、あっけなく崩壊してしまった。1億ウォンをテラに投資した投資家の場合、価値が1,000ウォンとなり、テラの価値は紙くず同然となった。
先月までテラの価格調整役を担っていたルナの価格は15万ウォンを上回り、時価総額も50兆ウォンを超えるほどの勢いがあった。今月5日時点でルナは値を下げたものの、10万ウォンくらいの価格を維持していた。その後、急激に値を下げ、ほぼゼロに近い価格になってしまった。
ステーブルコインとは
ステーブルコインとは、仮想通貨の価格が激しく変動することから、それを補うために価格が安定するように設計された仮想通貨。価格変動が大きくなると、決済に向かないため、価格変動を抑えて決済に利用しやすいようにした点が特徴だ。
ステーブルコインは価格を安定させる手段として、裏付けになる資産を用意するのが普通である。ところが、テラUSTは裏付け資産なしに価格が1ドルを上回っている場合は、供給量を増やして価値を低下させ、逆に下回っている場合には、消却などで供給量を減らして価値を上昇させるというアルゴリズム型のステーブルコインであった。
ステーブルコインのなかでは「テザー(USDT)」の使用量が最も多く、テザーは市場シェアの87%を占めていた。現在、テザーの流通量は800億ドルくらいで、テザーの裏付け資産は単純計算でも800億ドルが必要になる。ところが、800億ドルという額は、世界最大のヘッジファンドの資産と肩を並べる規模である。はたして、そのような莫大な資産をテザーは裏付けとして持っているのかという疑念がもたれていた。
(つづく)
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