平和を破壊する巨悪の正体
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「米国の横暴を抑止しない限り、この世から戦争の火種を消し去ることはできない」と訴えた7月5日付の記事を紹介する。
世界の支配者は米国ではない。
しかし、米国は勘違いしている。
米国の価値観が世界最高であり、米国の価値観を他国に埋め込むことを強制しても構わない。
そのために必要があれば武力の行使も辞さない。
これが米国ネオコン勢力の考え方。
一言で表現すれば「力による現状変更主義」。
「覇権主義」「一極支配主義」とも表現できる。
軍事力によって他国支配を強行する21世紀の「新・帝国主義」だ。
紛争の解決に武力を用いた点でロシアの行動は批判されるべき。
しかし、これを米国が批判するのは噴飯もの。
2003年のイラク戦争は何だったのか。
イラク戦争は明白な米国による侵略戦争である。
米国の侵略戦争であったイラク戦争で、イラクの無辜の市民10万人ないし100万人が虐殺された。
この事実を脇に置いて米国がロシアを批判するのは噴飯もの。
G20で対ロシア経済制裁を実施しているのはEUを1カ国とカウントして10カ国。
10カ国は対ロシア経済制裁を実施していない。
EUの人口を人口最多国スペインで計算すると、人口比では制裁実施国が19%であるのに対し、制裁非実施国が81%。
日本のメディアはグローバル巨大資本に支配されている。
従って、グローバル巨大資本に都合の良い情報しか流布されない。
ウクライナ戦乱について米国支配勢力が発する情報しか流布されない。
そのために、大多数の国民の判断が偏っている。
偏った情報しか入手しないから偏った判断しか持つことができない。
これは第二次世界大戦のときも同じ。
日本国民は大本営が発表する情報だけを入手していた。
そのために偏った判断しか持つことができなかった人が圧倒的多数だった。
問題の解決に武力行使を用いたことは批判されるべきだが、ロシアが軍事作戦始動に踏み切ったのには理由がある。
ウクライナに非がなく、ロシアが単に領土的野心から軍事侵攻に踏み切ったのならロシアだけが非難されるべきだ。
しかし現実はまったく違う。
戦乱発生までの経緯を踏まえれば、非はウクライナの側にあるとするのが適正だ。
日本の国会はゼレンスキーに演説の機会を与えたが、物事を正しく判断するにはロシアのプーチン大統領にも発言の機会を付与するのが適正だった。
ウクライナは独立国になって31年の時間しか有していない。
ウクライナは東西での内部対立をかかえる国。
ウクライナ西部ではネオナチにつながる国粋主義者、民族主義者が強い勢力を有する。
ウクライナ西部がナチスドイツの支配下にあった時代、ウクライナ西部の民族主義者はポーランド人、ユダヤ人、ロシア人虐殺に加担した。
第二次大戦終結後、ナチスドイツは断罪されたが、ウクライナのネオナチ勢力=民族主義者は米国が保護した。
米国の対ソ連戦略の一環でウクライナ・ネオナチ勢力が保護、温存された。
2014年ウクライナ政権転覆は、米国がウクライナ・ネオナチ勢力と結託して実行したものである。
米国は暴力革命によってウクライナ政権を破壊し、非合法の米国傀儡政権を樹立した。
この非合法新政府が直ちに「ウクライナ民族社会」設立を宣言し、東部のロシア系住民に対する人権侵害、差別的取り扱いを始動させた。
そのためにウクライナ東部で内戦が勃発。
クリミアでは住民が住民投票を実施してロシア帰属を決定した。
ウクライナ内戦を収束するために「ミンスク合意」が制定された。
2015年に制定された「ミンスク2」は国連安保理で決議され、国際法の地位を獲得した。
「ミンスク2」の核心は東部2地域に高度の自治権を付与すること。
これが実行されれば、自動的にウクライナのNATO加盟は消滅する。
ゼレンスキーはミンスク合意履行を公約に掲げて大統領に選出された。
そのゼレンスキーがミンスク合意を誠実に履行していれば今回の戦乱は発生していない。
※続きは7月5日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「平和を破壊する巨悪の正体」で。
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