2024年09月15日( 日 )

新たな船出「ライオンズクラブ337-A地区」 新設のリジョンと今後(前)

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60余年の歴史を刻む337-A地区

 世界最大級の奉仕団体として著名なライオンズクラブ(以下LC)。LCは、「We serve」~「ボランティアに社会奉仕の手段を与え、人道的ニーズを満たし、平和と国際理解を育む」という使命の声明文を発し、「地域社会と人道奉仕におけるグローバル・リーダーを目指す」という活動に対するビジョンを掲げている。

夜明け スタート イメージ    国内LCのなかでも屈指の存在として名高い337-A地区。世界大会を開催した輝かしい実績など、地域社会への貢献度は高い。7月の新体制で新たにリジョン(以下、R)が設立され、新生337-A地区が船出する。

 1917年6月7日、「シカゴ・ビジネス・サークル」という実業家の昼食会クラブの幹事だったメルビン・ジョーンズ氏が、9州27の同クラブの代表者をシカゴに招き、ライオンズ協会(Association of lions Clubs)を設立したのが始まり。設立から105年の世界的社会奉仕団体である。ライオンズクラブ紋章の2頭のライオンの頭部は、「法(Law)・自由(Liberty)・労働(Labor)・忠誠(Loyalty)・愛(Love)・生命(Live)・ライオン(Lion)」を表すLの文字の左右に配置されている。

 我が国初のライオンズクラブの設立は、1952年3月に発足した東京ライオンズクラブである。同地区の歴史は、55年6月の福岡ライオンズクラブの発足が始まり。以来67年の歴史を刻み、今年4月末現在で5R、114クラブ、3,820人の正会員で運営され、国内でもトップクラスの規模を誇る。

 同地区の直近のハイライトは、2016年6月24~28日の5日間にわたって開催された「第99回ライオンズクラブ国際大会」のホストの中心となったことだ(LC337複合地区(九州・沖縄))。LCの世界大会は2~3年に1度アメリカで行われ、それ以外はヨーロッパやアジアなど世界各地で行われる。福岡での世界大会は、14年ぶりの日本開催となり、東京・大阪に次ぐ3都市目となった。

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 期間中は総会をはじめ、華やかな伝統衣装に身を包んだ100カ国以上、1万2,000人のメンバーが笑顔でパレードを行った。また梅雨の時期であったが、当日快晴となった大空をブルーインパルスによる歓迎編隊飛行が見事な大輪の花を描き、多くの見物客から大きな歓声と拍手が上がるなど、大会期間中はさまざまなイベントを通して、ライオンズクラブ・福岡県・市・地元企業・市民の方々と一体となった。海外からの参加者にも感動と新しい出会い、良き思い出をもたらすなど、福岡の土地を世界に強くアピールし、同地区と我が国のライオンズクラブの未来につながる大会となり、各方面から高い評価を受けるとともに、さらなる発展が期待された。

新たなRを設立する

 「以前から“Rを分けることがベストである”とする考え方は、R内でもありました」と語るのは、新たなR=6Rのリジョン・チェアパーソン(RC)に就く手嶋文博氏。「前2R・RCのL・阿部浩二は、当初の29クラブを2つにする方向で各クラブの意向を確認し、2・6R双方が成立するために、14クラブが6Rに移るように進められました」と6Rの新設について語る。

 今年4月1日付の前ガバナー・古川隆氏宛てのリジョン設立趣意書によると、Rの新設の理由は次のとおりである。

(1)R内のクラブ数の適正化

 ライオンズクラブ地区会則によると、「地区キャビネットの承認があり、かつクラブ、地区、国際協会にとって最善である場合に、地区ガバナーは、RおよびZを変更することができる。地区は、16以下10以上のクラブをもつRに分ける」とされている。現在の337-A地区2Rには29クラブがあり、クラブ数では地区内最大となっている。また、全国の準地区各Rと比較しても、突出してクラブ数が多くなっている。Rの目的とされる弱体クラブの強化やクラブの運営適正化を効果的に行うために、Rを分割し、コミュニティーをコンパクトにすることにより、これまで以上にそれぞれのR内やクラブ運営化に努めることが、337-A地区全体に好影響をもたらすものと考える。

(2)クラブ間の調和を図り、楽しい活動で会員数増加を見込む

 ここ数年2Rは、クラブ数が多いことも影響しているなか、Zの再編成やRCなどの人事について、残念ながらZやクラブの意向が反映されていないと感じることがあった。また、全国的な傾向だが、2Rも会員の減少に歯止めがかからず、2015年6月末に正会員1,039名だったが、16年6月末994名(前年比45名減)、17年6月末903名(同91名減)、18年6月末847名(同56名減)、19年6月末825名(同22名減)、20年6月末777名(同48名減)、そして21年6月末には710名(同67名減)となった。7年間で計329名という大幅な減少となった。このような会員数減少にともない、クラブやRの合併などの対応も考えられるが、このような危機的な状況に直面しているなか、これまでとは違った新たな切り口で会員数の減少に歯止めをかけ、また、正会員数の純増にチャレンジしたいと考える。

 以上が、Rの新設=6Rの設立の理由である。

(つづく)

【河原 清明】

(後)

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