2024年11月22日( 金 )

「自分たちでできることは自分たちで」 45周年を経て新体制で臨む次なる展望

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芝浦グループホールディングス(株)

 家電販売店「シンチデンキ」の創業から45年。芝浦グループは空調メンテナンス、太陽光発電事業など業容拡大を続け、現在は持株会社の下、11の子会社が不動産、建設、ホテル、自動車、農業など展開、その事業領域は多分野に渡る。22年6月24日に開催された芝浦グループ45周年・新社屋披露パーティーでは、ドバイの自動車メーカー2社とのパートナーシップ締結発表に加えて、同グループの経営管理を担う芝浦グループホールディングス(株)の役員人事を発表。代表取締役会長兼CEOの新地哲己氏は10月1日付で相談役となる。創業から45年をかけて、多業種にまたがるコングロマリットを形成した同グループの次なる展望について、新地哲己会長と新地洋和社長にお話をうかがった。

商業施設・オフィス・複合ビル開発

 新地洋和社長 私たちは「メガスーパーカーモーターショー」を開催したり、スーパーカーに特化した会員制ガレージ「ニューガイアプレミアムガレージ天神北」を運営したりしており、世間の皆さまは、当社に対して「派手」な印象をもたれている部分もあるのではないかと思います。しかし、創業から45年を迎え、これからは世の中にもっと認められ、必要とされる企業であり続けるために、より積極的に社会貢献に取り組んでいく時期に差しかかってきたのではないかと感じています。その1つが「ホテルニューガイア学生無料キャンペーン」です。これは、福岡、山口、熊本にある芝浦グループの9つのホテルに、学生さんは無料で宿泊できるという企画で、コロナ禍による青春ロス世代に向けて、我々にできる社会貢献として企画しました。

 また、当グループはこれまで、それほど積極的に新卒採用を行ってきませんでした。しかし、新社屋に移ったことで、視覚的にも目立ち、多くの人々からお声がけいただき、これまで以上に社会から注目されていることを実感しています。おかげさまで経営状態も安定していますので、これからは「新卒採用」がキーワードになってくると思います。若い人材を雇用することで、人材育成にも力を入れていきたいと思います。

 現在、JR大分駅前の「祝祭の広場」隣接地で、商業施設とオフィスの複合ビル「ニューガイアビルディング大分駅前(仮称)」プロジェクトが進行中で、2024年に竣工予定です。複合ビルは、入るテナントによって価値が大きく変わってきます。大手スーパーがテナントで入居したことにより、ビルの価値が大きく上がったようなケースは頻繁に耳にします。我々はテナント誘致に関しては、まだまだ勉強不足です。難しい領域ではありますが、そうした難題にあえて挑むことで、これまでのマンションデベロッパー、オフィスデベロッパーから一歩進んだ「総合不動産」の領域に足を踏み入れることができると確信しています。

 同様の複合ビル開発は、鹿児島市中心部・天文館近辺でも進行中です。商業施設とオフィスの複合ビルやテナント誘致は、芝浦グループのさらなる成長につながっていくと思います。

 新地哲己会長 私が絶えず言ってきた「借入1,000億円の挑戦」は、今後も続けていくつもりです。日本を代表する企業であるトヨタ自動車は多額の借入をしています。私は借入イコール「会社の信用」だと捉えています。当社の現在の借入額は600億円超。福岡でこれだけ多額の借入をしている会社は上場企業以外では我々ぐらいでしょう。我々がこれほどまでに成長を遂げられたのは、各金融機関に信用してもらえたからに他ならないのです。金融機関には感謝しかありません。

 金融機関は会社を救う、会社を成長させる力をもっています。事業内容などだけで判断して融資するのではなく、「この人はどういう人物か」と人を見て融資していけば、私のような人間がこれからもどんどん出てくると思うのです。そして、若い経営者の方々に知っておいてもらいたいのは「お金を借りる能力がないのなら経営者になるべきではない」ということです。お金を集めてそれを有効に使う。それが経営者に最も求められる能力なのです。

新地哲己会長(右)と新地洋和社長(左)

自由に意見を言い合える「風通しのよさ」

 ──不動産開発や太陽光発電などのほか、スーパーカーに特化した「プレミアムガレージ」の運営など多岐に渡る事業を手がけられています。社員さんは大変働き甲斐を感じられているのでは。

 新地哲己会長 先日、社員の1人から「すばらしいビルを建てていただき、ありがとうございます。とても鼻が高いです」と言われました。周囲から注目を集めるビルで働けるというのが皆、うれしいのかもしれませんね。

 新社屋の完成にともないこれまで拠点が分散していたグループ会社を集約したのですが、それぞれの会社同士のライバル意識のようなものはなく、皆楽しく働いてくれています。今回の45周年記念パーティーに限らず、「メガスーパーカーモーターショー」など、イベントごとは、自社で企画し、運営もすべて社員たちが行っており、打ち合わせなどでは、お互いがアイデアを出し合っています。各人が遠慮することなく、自由に意見を言い合える風通しのよさも自慢ですね。

 ──イベントなどを自分たちでやるからこそ知見が高まっていくのでしょうね。

 新地洋和社長 新社屋の最上階の10階には約930m2のイベントホールがあります。今後はそのホールでさまざまなイベント、パーティーを開催していく予定です。イベント運営は、会場レイアウト、ライティング、スクリーン動作、料理提供、お客さまやスタッフの動線などあらゆるシミュレーションが必要です。私たちは大規模イベントの前にまず、90人規模のパーティーを開催しました。開催して初めて気づくことも多々ありました。それらを踏まえ、今回の45周年記念パーティーの開催でした。これらをイベント会社などの外部に頼むこともできるのでしょうが、そうすると当社はお金を支払うだけで社員の成長には何らつながりません。自分たちでできることは自分たちでやる。それが当社のモットーですし、それが個々人の成長につながっていくと思っています。芝浦グループとしては、今後もこのスタイルを貫き、『世の中に必要とされる企業であるために』『未来を変えることを、やる』を企業の存在意義と考え活動してまいります。

【新貝 竜也】


<COMPANY INFORMATION>
芝浦グループホールディングス(株)

代 表:新地 哲己 
所在地:福岡市中央区那の津3-9-1
設 立:2010年8月 
資本金:4億5,400万円
TEL:092-718-0067 
URL:https://www.shibaura-group.com/sghd

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