中国の若者は、なぜ賃貸住宅よりホテル住まいを選ぶのか
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最近、ホテルに長期滞在することが若者の新しいトレンドになりつつある。若者から見ると、ホテルの長期滞在は便利さ、気楽さ、高コストパフォーマンスの代名詞だという。
ホテル代は家賃より安い
四川省成都市で働く季笑笑さんは2カ月間のホテル暮らしの経験がある。2021年8月、ホテルの長期滞在、マンションの賃貸、仲介会社のコストパフォーマンスを比較検討してホテルを選んだ。
季さんの説明によると、ホテルの長期滞在価格は1カ月2千元(約4万円)で、ホテルから遠くない場所でマンションを借りると、毎月の家賃が2300元(約4万6,000円)になる。マンションならホテルより4㎡ほど広くなるが、家賃がかなり高くなる上、水道代と電気代を払わなければならず、家賃の10%にあたる管理費も毎月支払わなければならない。
季さんはネコを買いたかったことから、ホテル住まいを始めて3カ月目にホテルを離れたが、ホテル住まいの便利さ、気楽さを忘れられないという。「便利で気楽で、掃除もやってくれるし、警備員もいて、無料のコーヒーと朝食も付いている。ペットを飼えなかったのだけが残念だ」と季さん。
深圳市で働いて5年になる「90後(1990年代生まれ)」の張遠さんは、ホテル住まいになって2年が経った。張さんによれば、ホテルは生活上の要求をより良く満たしてくれるだけでなく、価格面でも優位性がある。長期滞在に心を動かされた要因の1つは、部屋のタイプが張さんにとってちょうどよかったことだ。プライバシーを守るため、今はシングルルームに住みたいと考えており、部屋に対する要望もシンプルなもので、ベッドとユニットバスがあればほぼ事足りる。一方で、賃貸の部屋には大抵キッチンとリビングがついているが、張さんにはあまり必要がないという。このほか、同じエリアならホテルの料金は一般の賃貸物件の家賃より約20%安く、今張さんが借りているホテルの料金は毎月3千元足らずで、会社まで歩いて20分で行ける。一方で、同じエリアで部屋を借りれば最低でも毎月3500元はかかる。会社までの距離と部屋の価格とを比べてみて、コストパフォーマンスが良いかどうかにより注目するという。
SNSでは、多くのネットユーザーが「ホテルの長期滞在を選ぶ最大の理由はコスパ。最も少ない出費で、最も多くのことをしたい」とコメントしている。
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中国の若者は何にお金を使っているか景暉智庫のチーフエコノミストの胡景暉さんは、「ホテルが長期滞在分野への進出ペースを大幅に加速させているのは、新型コロナウイルス感染症のリバウンドなどの影響で客室の賃貸率や稼働率が低下したことと明らかに関係がある。とくにビジネスホテルがモデル転換を追求するのは理に適っている。今後のホテル業にとって大きな課題となるのは、客室スペースと利用時間の面で、長期滞在と短期滞在をどうやって効果的に組み合わせ、総合的な収益率を高めるかだ。これはデータ計測と資源配置の問題だ」と述べた。
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