2024年07月17日( 水 )

中国新ビジネス話題:農村地域のマイカー保有率は35%(前)

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 中国は2021年、自動車の生産台数・販売台数でいずれも世界一だった。世界最大の自動車消費市場の1つとしての中国で、一般の世帯はどれくらいの価格帯の車を購入しているのだろうか。

マイカーは400万円いかが8割以上

中国 自動車事情 イメージ    中国国家統計局が最近発表した「中国人口センサス年鑑2020」によると、中国の世帯の自動車保有率は42%に達し、自動車保有世帯のマイカー価格は20万元(1元は約400万円)以下が81%を占めた。

 移動手段が引き続き中国の世帯にとって最も大きな自動車へのニーズだ。また通勤、休日の近場旅行、祝休日や連休の帰省が、中国の世帯にとって自動車を購入する主な理由だ。こうしたニーズ・理由を踏まえて、多くの世帯は購入時にコストパフォーマンスをより重視する。

 全国の状況を見ると、マイカー保有世帯のうち、乗り出し価格が20万元以下の世帯が81%に上り、20万-30万元は11%、30万-50万元は5%、50万-100万元は2%、100万元以上が0.65%だった。

 自動車の価格と世帯の所得水準は密接な関係がある。データによると、乗り出し価格100万元(約2,000万円)以上の世帯の割合が最も高いのは浙江省で0.99%に達した。2位は上海で0.81%、3位は北京で0.72%となり、そして江蘇省、福建省、広東省が続いた。これらの乗り出し価格の高い省・市は、国内総生産(GDP)の平均でも全国トップクラスに並ぶ。

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 自動車保有世帯の8割以上のマイカー価格が20万元以下ということは、中国の自動車消費に高度化する大きな可能性があることを別の角度から示している。中国自動車流通協会自動車市場研究分会(乗用車市場情報連席会)の崔東樹事務局長は、「目下のマイカー消費ニーズはニーズが拡大する市場から、ストックする市場、買い換えの市場へと転換しており、初めての自動車購入ニーズが中心だったのが、買い換えニーズや2台目以降の購入ニーズが中心になり、買い換え型自動車ニーズが販売量を牽引する主な要素になりつつある。一般的にいえば、消費者が買い換えや2台目以降を購入するときには、より高価格帯の車を購入する傾向があり、とくに経済の先進地域でこうした傾向が目立つ」と述べた。

農村地域のマイカー保有率は35%

 国家統計局が最近発表した「中国人口センサス年鑑2020」によると、中国の都市部では自動車を保有する世帯の割合が47%に上り、全国平均を5ポイント上回った一方で、農村部は35%となり、全国平均を7%下回った。農村部では自動車の乗り出し価格は10万元(約200万円)という世帯が18%を占め、農村部の全自動車保有世帯の52%を占めた。

 農村部には新エネルギー自動車の普及に向けた天然の優位性や条件が備わる。農村部住民には交通手段に対する硬直的需要があると同時に、航続距離についての要求が都市部住民ほど高くない一方で、農村部住民にとって、ガソリンスタンドで給油するよりも、家庭の充電ポールで充電する方が便利だ。さらに新エネ車はランニングコストが低いため、農村部住民の間で新エネ車ニーズがますます旺盛になっているという点がより重要だ。

 農村部の自動車消費のポテンシャルを活性化するため、新エネ車の農村への普及の取り組みが2020年に始まった。その後2年間、各方面は共に力を合わせ、地方政府は適切で実際的な支援政策を打ち出し、自動車メーカーは農村市場にニーズに応える複数の車種と販促キャンペーンを打ち出し、充電サービス企業は農村部の充電・バッテリー交換設備の建設を加速させた。中国自動車工業協会がまとめた統計データを見ると、この取り組みが行われた2年間に、関連車種の累計販売台数は142万6千台に達し、新エネ車業界・市場の一般的な状況を明らかに上回る伸び率を示したことがわかる。

(つづく)


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