2024年11月22日( 金 )

博多の地酒を醸造して百余年 「博多っ子に愛される会社」へ

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石蔵酒造(株)

和の趣を感じる歴史ある酒蔵

「博多百年蔵」石蔵酒造    「博多百年蔵」の愛称で知られる、博多唯一の造り酒屋・石蔵酒造(株)。同社の歴史は古く、江戸期の福岡藩・黒田家の御用商人に端を発し、江戸末期・明治初期から百余年にわたって現在の酒蔵で博多の地酒を醸造し続けてきた。国の登録有形文化財にも指定されている現在の蔵は、1870(明治3)年に建築された第二酒造場にあたるもので、補修や改装を重ねながらも大きな梁や柱、壁、階段などは今も建築当時のままに残存。昔ながらの白壁土蔵にレンガの煙突をもつ佇まいは、街の景観の一部として地域に溶け込み、親しまれてきた。

 酒蔵には、酒の試飲・購入が可能な製造直売所を併設するほか、約20年前からは、「日本酒により親しんでもらうこと」と「地域の方とのふれあいの場をつくりたい」という思いで、蔵の一部の公開を開始。イベントや宴会、そして結婚式や披露宴などの“ハレの日”の場として、和の趣が感じられる歴史ある空間が活用されている。

新旧の酒が県酒類鑑評会で金賞

 酒造りにおいては、酒米として福岡県糸島産の山田錦などを使用するほか、水は名水として名高い「千代の松原水」を使用。そこに同社が長年重ねてきた研鑽による“業”が加わることで、博多っ子に愛される数々の銘酒を生み出してきた。

 これまでも同社の酒は、「Kura Master 日本酒コンクール」や「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」「福岡国税局 酒類鑑評会」などで数々の賞を受賞。直近では今年9月に開催された「第十回 福岡県酒類鑑評会」(主催・福岡県酒造組合、共催・福岡県、後援・福岡国税局)において、吟醸酒・本醸造酒の部(精米歩合51%以上)で「吟醸 如水」が、大吟醸酒の部(精米歩合50%以下)で「大吟醸 百年蔵40」が、それぞれ金賞を受賞した。

 「吟醸 如水」は、福岡藩祖・黒田如水(官兵衛)にちなんで命名された同社のロングセラー商品で、40年以上にわたってアップデートを繰り返しながら博多っ子に愛されてきた、さっぱりした上品な辛口が人気の吟醸酒。一方の「大吟醸 百年蔵40」は、今後の百年蔵の新たな定番酒として愛されるお酒になるよう、同社が研鑽を重ねて新しく造り出した渾身の大吟醸酒で、山田錦を40%まで磨き、長期低温醸造にて丁寧に旨味と香りを引き出している。

 企業理念として「博多っ子に愛される会社になる」ことを掲げ、創業当時からずっと変わらない真心で酒造りに励んでいる同社。今後も、博多っ子をはじめとした皆に喜ばれるおいしい酒造りに、一層の精進を重ねていくことだろう。

「博多百年蔵」石蔵酒造

【坂田 憲治】


<COMPANY INFORMATION>
石蔵酒造(株)

代 表:石蔵 利正
所在地:福岡市博多区堅粕1-30-1
設 立:1956年4月
資本金:1,000万円
URL:https://www.ishikura-shuzou.co.jp

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