2024年09月03日( 火 )

既存のビジネスモデルとの差異づけで、顧客の希望叶える住宅提供を

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(株)BEAMホールディングス
代表取締役 友田 圭祐 氏

 競合激しい不動産業界において、(株)BEAMホールディングスが2021年1月に誕生した。不動産の仲介・管理業を手がける同社だが、「人材派遣会社向け社宅管理」における実績を積み始めている。通常の社宅管理との違いや今後の展望について、同社代表取締役・友田圭祐氏に話をうかがった。

(聞き手:(株)データ・マックス 専務取締役 緒方 克美)

社宅管理に追われる企業から業務を請け負う

(株)BEAMホールディングス 代表取締役 友田 圭祐 氏
(株)BEAMホールディングス
代表取締役 友田 圭祐 氏

    ──まずは、貴社のビジネスモデルについてお聞かせください。

 友田 圭祐(以下、友田) 当社では主に不動産の仲介・管理業を行っています。仲介業では賃貸売買を行っており、住宅をメインに取り扱っています。もう1つの管理業では住宅の管理を現在40戸近く行わせていただいている一方で、社宅管理も行っています。この分野において他社と異なる点が「立ち位置」です。

 通常、社宅管理においては、オーナーと入居者(社員)との間に管理会社が入るかたちになります。しかし、当社で主に携わらせていただいているのは人材派遣会社になります。法人契約者となる人材派遣会社から社宅管理の業務委託を受けるかたちで入居者(社員)と法人契約者(人材派遣会社)、不動産管理会社の三者の間に入り、業務を行っています。

 人材派遣という業種の特性上、入れ替わりが激しいため、「現在、どの物件に誰が住んでいて、どのような問題が起こっているのか」を把握しにくいことが問題視されていました。また、一般的な会社とは異なり、所属する人数が多く、また、それぞれの社員が勤務する場所もバラバラになりますので、管理する情報量が自ずと多くなってしまいます。このような状況で入退去の管理や物件の不具合報告など、すべての管理を当社が引き受けることで、会社のなかに社宅管理の部署や人員を設ける必要がなくなります。いわば、当社にアウトソーシングする状態です。

 また、勤務地がそれぞれ異なる人材派遣会社では、社宅でよくみられる「一棟貸し」の形式はなかなか取れません。しかし、当社ではひと部屋ずつ法人契約を結ぶことができますので、社宅制度のハードルを下げられます。さらに、入居者の方に部屋を選んでいただくことができますので、他の管理会社にはない魅力の1つを付与することができています。

 ──不動産管理の業界のなかでも珍しいビジネスです。

 友田 始動してから約半年、課題にぶつかりながらここまでやってきました。初めてのビジネスモデルとなるので、最初は管理会社の方も当社が間に入ることに対して疑問を抱いていたようです。管理の業界ではまだ開拓されていないビジネスモデルとなっていますので、シェアを拡充できればと考えています。

それぞれがコンセプトをもち顧客の理想を叶える

 ──貴社の今後の展開を教えていただけますか。

 友田 今後の展開としては、グループを5年以内に3つに分けていくことを考えています。賃貸専門の管理・仲介業を行う(株)BEAM ROOM(2023年設立予定)、高級建売住宅販売の(株)BEAM HOME、IT系の分野を担う(株)B-Sieg(ビージーク)(22年1月設立)です。

 とくに2つ目のBEAM HOMEでは建物や家具に使われる木にこだわった、郊外の家具付き平屋住宅を取り扱いたいと思っています。ある一定の収入を超えると、家に求める要件が「広さ」ではなく「質」へと変化していきます。実際にお客さまから「すべてが国産木材でつくられた家はないか」と聞かれましたが、ご案内可能な物件がありませんでした。このような場合、メインの住居ではなく、休日を過ごす別荘やセカンドハウスとしての購入も十分考えられます。このような需要を満たすため、質の高い住居提供を展開していきたいです。

BEAMホールディングス    そしてもう1つ、(株)B-Siegでは不動産取引におけるIT化を図ります。近年、不動産業界もさまざまな場面に対応するITサービスが導入されてきました。リモート内見などでは、家から出ずとも情報を獲得することができますが、コロナ禍で外出制限が発令されているなかでもマスクを二重三重にして来店するお客さまが多く見られました。ご自身の目で確認することに重きを置いている方は多く、それはコロナ禍においても変わらないことなのだと実感しました。そのため、大事にしたい部分はそのままで、それ以外の部分をIT化してスピード感を高めたいと考えました。具体的には来店前の予約や成約後のやりとりはオンラインで、実際に来店されて担当と話をしたり、内見をしたりするところは従来通りアナログとしています。このように、当社では「不動産×アナログ×IT」を打ち出していきたいと考えています。

 まだ構想段階ではありますが、それぞれの事業においてコンセプトをもって取り組み、1人でも多くのお客さまの笑顔の創出に努めていく所存です。

【文・構成:杉町 彩紗】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:友田 圭祐
所在地:福岡市中央区今泉2-5-28
設 立:2021年1月
資本金:500万円
URL:https://beam-hd.co.jp/top


<プロフィール>
友田 圭祐
(ともだ・けいすけ)
1988年生まれ、福岡市出身。九州国際大学経済学部経営学科を卒業後、新卒でデベロッパー企業に入社。以降、不動産会社2社での勤務経験から「『決める』営業ではなく、お客さまに『寄り添う』営業をしたい」という思いを抱き、2021年1月に(株)BEAMホールディングスを創業。広告媒体を使用せず、紹介営業を軸に事業を展開している。

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