「中国式現代化」新社会体制造りが始まる(後)
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今年10月に行われた第20回中国共産党大会で、「中国式現代化」といったコンセプトや目標が掲げられた。習近平総書記が中国最高指導者となって10年、こうした奮闘目標を打ち出したのは初めてであり、この目標は中国共産党と中国人民をさらに「人類の文明や英知に貢献」するものへと引き上げるとしている。
浙江大学マルクス主義学院院長の劉同舫教授は、「中国式現代化」について「平和、発展、公平、正義、民主、自由など社会主義的な色彩を含む全人類共同の価値を発揚し、人の自由で全面的な発展の実現に努めることを最終かつ最高の目的と見なすものである。資本的論理が軸となる西側諸国の現代化とは比べものにならない価値を備えている」と見ている。
劉教授は、「中国式現代化は理論的に見て、発展途上国が西側諸国の現代化の道を一方的に信じ込むというかたちを打ち破り、『現代化とは西洋化だ』との思い込みを排除するものだ」と述べている。中国式現代化は人類文明の新たなかたちをつくりだし、途上国における現代化への道を広げ、急成長も求めながら独立性も維持したいという各国や各民族へ新たな選択肢をもたらし、多くの途上国が国情に完全に合う、国民の利益にふさわしい独立自主の現代化への道を選ぶようになって、人類社会が和して同ぜず、多元的に統一する方向へ進行するきっかけとなるものである。中国式現代化は実践面において世界と密接に連携し、世界の現代化への流れに溶け込み、世界各国から先進的な技術や経験を積極的に吸収し参考にして、弁証的に自身の発展に生かすほか、こうした成果を世界に還元し、平和と発展に大きく貢献していくものである。
「中国式現代化」では「社会主義」という言葉はない。すなわちこれまで主張していた「中国の特色ある社会主義現代化」というコンセプトではなく、単純な「中国式」国家なのである。党中央対外連絡部の劉建超部長は記者会見で、「中国式現代化」とは「西洋化こそが現代化だ」との神話を崩すものと述べている。
これはつまり、習総書記が掲げたコンセプトと目標である「中国式現代化」とは、「西洋式現代化」と違った新しい社会の姿や制度をつくることを意味する。また「社会主義現代化」を捨てたということは、北朝鮮やキューバなど極端で貧しい社会主義国のイメージを避けることである。すなわち中国は、西洋式の「民主主義」制度でもなく、北朝鮮のような「社会主義」制度でもない、第3の社会制度を築こうとしているのだ。習総書記の求めるこうした偉大な目標は、14億人全員が参加する大きな変革運動であり、人類最大規模の社会的実験であることに間違いなく、その意義は鄧小平氏以来の2度目の「改革」だといえる。ただし鄧氏の「改革開放」とは「中国を豊かにする」ものに過ぎず、一方で習総書記の「中国式現代化」とは「中国を強くする」ことであり、アメリカを抜いて世界一の強国となるだけでなく、人類の「共同富裕、自然との調和」のパラダイスとすることである。
「中国式現代化」を成し遂げるには5年でも足りず、10年でも足りない。客観的に見て習総書記が長期的に政権を担って中国をリードすることが必要であるだろう。
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「習近平新時代」10年間の実績1840年代にマルクスが社会主義国家形成の理論を訴え、20世紀初めにはレーニン率いるソビエトの社会主義派がロシアで革命をはたして「社会主義」国家が誕生し、マルクスの思想も「マルクス主義」と呼ばれるようになった。180年以上が経過した今、習総書記が「中国式現代化」を主張し、14億人に実行させようとしている。これが成功したならば、世界の歴史が大きくゆり動いて、「習近平思想」が改めて評価されることになる。
これがまさに、「中国100年の夢」で求める一番の目標なのではないか。
(了)
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