中国SF小説「三体」にアニメ版が登場
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中国内外で数々の賞を受賞し、日本語にも翻訳された中国のSF小説『三体』にアニメ版が登場した。関係する著作権者が10月29日に、アニメ版「三体」はすでに制作が終わったと発表し、12月10日から配信が始まった。これにともなって、アニメ版をめぐる「グローバル共同創作計画」も動き出している。
小説『三体』シリーズは中国のSF作家・劉慈欣氏の作品で、壮大なタッチで地球外文明である「三体文明」の世界を描き、中国のSF文学の一里塚と称えられている。ここ数年の間に、小説シリーズは10数種類の言語に翻訳されて世界中で出版され、その「映画化」や「アニメ化」なども日程に上り、関連のプロジェクトは各方面の注目を集めてきた。
劉氏は1963年6月23日生まれのSF作家。中国山西省陽泉出身。本業はエンジニアで、発電所のコンピュータ管理を担当している。中学生のころから創作を開始。1999年、中国のSF雑誌『科幻世界(中国語版)』でデビュー。その後、銀河賞に連続して入選。2010年、第1回中国星雲賞(世界華人SF協会主催)で作家賞を受賞(韓松と同時受賞)。2015年、アジア人初のヒューゴー賞受賞者となった。
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名門大学を卒業して農業を選んだ中国の若者SFに興味をもつきっかけになったのはジュール・ヴェルヌ『地底旅行』で、その後アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』で本格的にSFにのめり込むようになった。
幅広く注目されるビッグコンテンツとして、「三体」の開発者には動画サイト「bilibili」(ビリビリ)と武漢芸画開天文化伝播が名前を連ねるほか、動画共有サイトの騰訊視頻(テンセントビデオ)や動画配信サービスサイトのNetflixもドラマ化をめぐる戦いに乗り出し、これまでに予告編と特集番組が公開された。また、ゲームの開発・配信を手がける遊族ゲームズ(YOOZOO Games)もゲーム版「三体」を開発中だ。
テレビドラマ「三体」の公式チャンネルが2020年12月に掲載した文章は「無事クランクアップ(撮影終了)」とした。2021年11月になってようやく発表された最初の予告編には10万件以上の「いいね!」が寄せられ、10万回以上共有された。それから半年後の今年6月には新しい予告編が公開され、大勢の「三体」ファンの情熱をかき立てたが、その後、新しい情報は伝えられていない。
ネットフリックスは「三体」の映画化にも乗り気満々だ。20年9月、オリジナルシリーズ担当バイスプレジデントのピーター・フリードランダー氏は英語版の「三体」ドラマシリーズを制作すると発表。テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のプロデューサーのデイヴィッド・ベニオフ氏とD.B.ワイス氏が、テレビドラマ「ザ・テラー」2シーズンのプロデューサーのアレクサンダー・ウー氏と手を組んで制作し、原作者の劉氏と英語版翻訳者の劉宇昆氏が顧問プロデューサーに就任するということで、非常に豪華なメンバーが顔をそろえている。
22年9月、ネットフリックスはドラマ「三体」の舞台裏特集を初めて公開した。現在、1シーズンの撮影は終了して編集作業に入っており、23年に公開される予定だ。
遊族ゲームズも現在、ゲーム版「三体」の開発を進めている。22年6月に発表された投資者関係の活動記録によると、ゲーム版は今後3~5年の間に相次いで発売される予定だ。
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