2024年11月28日( 木 )

60兆円持って帰りたい

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 あるブローカーがもってきた情報、シンガポール在住日本人の話。為替取引で60兆円ため込んだという触れ込み(一説に80兆円ともいう。為替で握った金額では世界3位といわれる)である。この日本人氏は年老いて、「故郷へ帰りたくなった、望郷の念が強まった」という心境らしく、「だからこれまで稼いだ60兆円を、なんとかして日本に持ち込みたい」と考えているのだとか。

 しかし、この話を聞くといくつか疑問が浮かんでくる。
 まず(1)はたして60兆円もの巨額の利益を、個人で稼げるのか? あるシンガポール情報通によれば、10兆円近く稼いだ個人は実際に確認しているそうな。
 また(2)今さら望郷の気持ちが湧くのか? 一度日本を捨てて海外に雄飛したのである。「日本はあまりにも課税率が高い」と怒って我が国を見限ったはずなのだが……。
 そして(3)この人物は為替のプロではないのか? 想像を絶する、60兆円もの金を日本に持ち込めないのはわかっているはずだろう。日本へ戻って生活するだけなら、資金は10億円あれば十分なはず。

 この3つの疑問をブローカーへ投げつけてみた。するとブローカー氏、「いや、本人は真剣なのだ」と信じ切っている様子。「近々資金移転コンサルに会うので、その問題も解決してくれるはず」と自己解決していた。「さすがはシンガポール、日本の常識が通用しない世界があるのだな」と思わず感心した。

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