2024年12月22日( 日 )

新たに注目される中国の水素自動車

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水素ステーション イメージ 2022年12月に発表された「北京市水素燃料電池自動車用水素ステーション発展計画(2021~25年)」では、北京市は2025年までに水素燃料電池自動車の普及台数累計1万台以上を目指すと打ち出した。上海市も最近計画を発表し、25年に燃料電池自動車(FCV)の保有台数が1万台以上になることを目標にしている。

 中国自動車工業協会がまとめたデータによると、今年10月には水素自動車の生産台数は前年同期の4.7倍にあたる277台に達し、販売台数は同6.4倍にあたる301台に達した。また1~10月の水素自動車の生産台数は同2.8倍の2700台、販売台数は同2.5倍の2400台だった。

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 自動車産業のなかで、水素自動車はまだニッチな製品だが、ここ2年間は国の政策の後押しを受けて急速な成長を達成している。21年には水素エネルギーが第14次五カ年計画(2021~25年)と2035年までの長期目標の綱要に正式に書き入れられた。また同年には、中国政府の5当局が燃料電池車のモデル応用業務の開始に関する通知を通達して、北京・天津・河北、上海、広東、河北、河南の5大FCV政策支援モデル都市クラスターがおおよそ形成された。現在、中国全土の20余りの省・自治区・直轄市が水素エネルギー技術変革のチャンスを積極的につかみ、水素エネルギーの発展計画と指導意見を次々に発表している。

 FCV関連設備の建設も積極的に進められている。北京市の計画では、23年までに水素ステーション37カ所を建設し稼働させ、25年は74カ所の建設・稼働を目指す。

 調査会社の天眼査傘下の天眼査データ研究院の陳倞研究員は、「水素燃料電池はエネルギー密度が高い、水素の充填速度が高い、環境にやさしいなどの優位性があるが、リチウム電池産業と比較すると、産業チェーンはまだ初期の発展段階にとどまっている。水素燃料電池の発電装置(FCスタック)の製造コストや水素ステーションの数といった要因に制約されて、産業の規模はまだ小さい。しかし産業全体の規模拡大と技術の進歩にともなって、水素燃料電池にはリチウム電池よりも大きな将来性があると見込まれ、遠くない将来に商用分野へ大規模に進出することになるだろう」との見方を示した。


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