不動産価格、両極端の強欲と憂鬱
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(1)300坪100億円、不動産売れず
友人が東京・赤坂の不動産に食指を動かした。物件は料亭跡地、場所が東京・赤坂、「300坪100億円で買いませんか?」と仲介屋が持ち込んできた。友人は最初、「安い」と気持ちが動いた。
しかし、猜疑心で世の中をわたってきた男である。早速、条件を探ってみた。料亭の元女将は80歳を超えているのだが、裏金を要求していることが分かった。要するに「税金諸々を被ってくれ」というのである。買い手の負担は莫大なものになる。結果、取引はなくなってしまった。不動産仲介屋は「結局のところ、買い手は中国人しかいません」と解説した。
(2)坪1万円でも売れず
宮崎県日向市の海辺にある宅地50坪、2件の不動産は相続されたものの、親族はみな土地を離れて誰も住む予定がない。兄弟5人のうち、3人は死亡、2人が生存している。親たちが亡くなって50年、身内の誰からも「売りましょう」という声があがらない。兄弟の一番下の男が試しに公に売却してみることにした。「坪1万円、50坪、2筆」で売りにだしたのである。
ところが、2カ月経っても買い手が現れなかった。男は馬鹿らしくなって売るのをやめた。「九州7県(島は除く)の宅地名義がついている不動産の50%は取引できないだろう」と言い切るこの男は有名な不動産仲介業者でもある。
続編予告。385万戸の空き家情報から不動産を読むことに関して、別稿で情報発信を行う。乞うご期待!
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