台湾の本音、フィリピンの巧妙、日本の愚鈍
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我々は根幹から考え直さないといけない。台湾人たちは中国の侵攻に対して、はたして本当に体を張って戦うつもりだろうか、ということである。付き合いのある台湾人経営者は青ざめた様子で語る。「ウクライナ戦争の報道を見て、日本人たちはロシアの軍事侵攻は許せないと怒ってはいるものの、結局のところ他人事である。ところが台湾人は、ウクライナで毎晩ミサイルが撃ち込まれる状況を見ながら、自分たちはどういう風に対応すれば死なずに済むかを真剣に考えているのである」と怒り気味に語った。
誰もウクライナのようになることを望む人などいない。台湾人の本音は、「ウクライナのような侵攻を受ける事態は阻止したい。中国との融和を協議できる政権を樹立したい」ということだ。先だっての台湾地方選挙で、独立をかかげる台湾政府与党「民進党」は惨敗したのだ。
しかし、日本は台湾有事を大義名分として急激な軍事増強に突き進んでいる。アメリカの言いなりになって日本は戦争に巻き込まれて良いのか。台湾人も望んでいることではない。岸田首相、まずは中国に飛んで習近平主席との外交努力に全力を注ぐべきではないか、と忠言したい。
一方、フィリピンは柔軟に対応している。一時はアメリカから植民地扱いされていたが、今やアメリカと中国の争いの狭間で巧妙に立ち振る舞っている。だが、我が岸田政権には、浮足立った軍備増強はアメリカの恫喝に屈していることと同じだという意識がない。アメリカから「中国侵略を食い止める有力な同盟軍」と煽(おだ)てられて本質を見失っている。1945年以降、まぎれもなく日本はアメリカの植民地なのだ。日本人の大半はこの事実に気付いている。分かっていないのは外交通ぶっている岸田首相ではないのか。台湾有事になれば福岡空港、長崎空港、佐賀空港は戦争優先で軍事空港になるのは間違いない。そのときどんなことになるか。過去の戦争を思い出すしかないが、それが参考になるかどうかすらわからない時代なのである。
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