如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜
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中国歴代ドラマのなかでも破格の費用を投じて製作され、2018年度の中国時代劇ドラマ再生数ランキングで第2位の快挙を達成した宮廷時代劇『如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~』。全87話、陰謀渦まく後宮でただ1つの愛を貫き、誇り高く生きた1人の皇后の切なくも美しい人生を描く宮廷愛憎劇となっている。日本でもBSで再放送されるなど、人気を集めている。
如懿の幼名は青桜で、顔が緑梅の花に似ていることから名付けられ、乾隆帝の即位にともない嫻妃の階級に冊封され、清王朝の後宮に入る。如懿は乾隆帝と静かな愛を育みたいが、それに対して、もう1人の側室・高晞月は正室である富察・瑯嬅と連携し、如懿に次々と襲いかかる。高晞月は慧貴妃で、富察瑯嬅は皇后、どちらも如懿の嫻妃より上であった。高晞月は表の敵として如懿を罵倒する役割を担当、富察瑯嬅は如懿の行為のなかの不合理なところを探して彼女を教育する役割を担当、このコンビネーションで如懿に猛烈な攻撃をしかける。
ある日、如懿はこの2人に皇子殺しの濡れ衣を着せられ、冷宮に送られてしまう。冷宮とは罪を犯した妃嬪が幽閉される宮殿のことであったが、如懿はそこで一生の親友である海蘭や凌雲徹に救われ、機転で陰謀を乗り越える。敵の配下に窮余を救う素振りを示すことによって、高晞月や富察瑯嬅が如懿に加害した証拠を見つけ、彼女たちを自業自得の運命に追い込んでいく。後ろ盾が居なくなったゆえ、いくつかの陰湿な策略で如懿を窮地に追い込んでいた真の黒幕、玉氏王国出身の嘉貴人・金玉妍が動きを見せるが、知恵を徹底的に磨いた如懿は、金玉妍の化けの皮を剥がして勝利し、ついに皇后の座を手に入れる。
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中国SF小説「三体」にアニメ版が登場物語の後半では派閥争いに関しての描写は減り、如懿は相思相愛だった乾隆帝との間で徐々に衝突が起こる。36歳になった如懿が安心したのも束の間、生涯最大の敵、14歳の衛
嬿婉が現れる。衛嬿婉は生き残った金玉妍を利用し、彼女と如懿・海蘭派の遺恨を煽動しつつ、若い肉体と併せて老いへの恐怖さえも利用し、乾隆帝の歓心を買うことに腐心する。乾隆帝は衛嬿婉と出会ったことにより、彼女が与える華やかな未来を信じ、玉氏王国の王世子へ密かな愛を抱いていた金玉妍に死刑を命じ、後宮での人望を得られない如懿も重ねて傷つける。当初、衛嬿婉と如懿では地位に決定的な差があり、すでに皇后となった如懿も自身の後宮での地位をちらつかせず、衛嬿婉の存在に危惧することもない。だが、如懿の衛嬿婉に対する警戒心のなさが裏目に出て、終盤になると衛嬿婉は皇后に次ぐ皇貴妃の階級を貰い、乾隆帝も含めて後宮内の大半の人々を集め、さらに如懿が孤立するように仕掛けていく。何度も裏切りを受けた如懿は自分の髪を匕首で切る。それは清王朝の文化のなかで「未練がありながらも永遠に縁を切る」ということを意味し、同時に慢性肺結核も発見される。それから数十年後、皇太后、海蘭、そして衛嬿婉の配下たちが手を組み、乾隆帝の目の前で衛嬿婉の正体を曝露する。そして、事の真相を知った乾隆帝の目からは、涙がとめどなく流れる。
最終回、乾隆帝は少女期の如懿が、自分の方を向いている姿を想像する。そのとき、彼の傍には、再び花を咲かせた緑梅が揺れている。
ヒロインの如懿(にょい)を演じるのは、中国のトップ女優、周迅(ジョウ・シュン)。本作では波瀾万丈な人生を歩むヒロインの少女時代から老年期までを演じ、多くの演技賞に輝いてきた実力を遺憾なく発揮している。
中国のトップ女優、周迅は1976年10月18日中国の浙江省生まれ。中国版エミー賞(国劇盛典)4冠をはじめ、今までに数々の演技賞を受賞している。
一人っ子の家庭で育った周迅は、父が映画ポスターの画家であったことから、毎日のように映画館へ通い、芸能への憧れを深めていった。幼少期からダンスを始め、浙江省の芸術学校で民族舞踊を習っていた17歳のときにスカウトされ、女優としての人生をスタートさせた。
2000年には、ロッテルダム国際映画祭のグランプリ受賞作『ふたりの人魚』で1人2役を演じて女優賞と新人賞に輝き、その後中国・香港・台湾の名だたる賞で主演女優賞を受賞、名女優へと成長した。2014年に結婚した夫は、『CSI:科学捜査班』『シカゴ P.D.』などのハリウッドドラマでも活躍する中国系アメリカ人俳優アーチー・カオ。
如懿とロマンスを繰り広げる乾隆帝を演じるのは、台湾出身のスター、霍建華(ウォレス・フォ)。彼は『STAR 摘星』(02)『イルカ湾の恋人』(03)などで人気となり、台湾のアイドルドラマを代表するスターだった。近年は日本でも中国時代劇の「顔」というべき存在になり、16年には同じく中国で活躍してきた台湾女優の林心如(ルビー・リン)と結婚している。
『如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~』はBSで再放送されたほか、日本の各有料チャンネルで好評放送中。
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