2024年11月24日( 日 )

【BIS論壇No.406】西原春夫元早大総長ご逝去を悼む

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 NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
 今回は1月29日の記事を紹介する。

    日本ビジネスインテリジェンス協会(BIS)の年末懇親会会場の市ヶ谷私学会館『アルカデイア』や明治時代の鹿鳴館後裔の『東京倶楽部』でたびたびご講演をいただき、長年ご指導をいただいた西原春夫・元早稲田大学総長が1月26日、療養先の東京女子医大で急逝された。享年94歳。

 BIS会員各位とともに心からご冥福をお祈りする次第です。

 20年前に結成され、筆者も理事を仰せつかっている『北東アジア研究交流ネット(NEASE-NET)』(会長・谷口 誠 元国連大使、岩手県立大学学長)や、『桜美林大学アジアーユーラシア研究所』(会長・谷口 誠 元国連大使)の顧問を歴任されていた西原先生にはなにかと目をかけていただいた。また筆者がかつて理事長を務め、現在学術顧問を仰せつかっている『国際アジア共同体学会』(会長:進藤榮一筑波大学名誉教授)では名誉顧問、顧問代表として長年ご指導をいただいた。

 西原先生は刑法学の専門家として、アジアの平和に並々ならぬ関心を示され、アジア平和貢献センターを設立後、10年以上理事長として、戦中派の有識者を糾合し、アジアの平和構築に尽力された。その集大成として、さる2022年2月22日午後2時、丸の内外国人記者クラブで「アジア平和会議」を開催。世界に向けて平和の尊さを発信された。 

 同年2月24日にはロシアがウクライナに侵攻。平和の必要性が強く認識され、西原先生の平和活動の重要性が内外に強く認識された。

 西原先生とお会いしたのは22年11月25日、明治大学での国際アジア共同体学会が最後となった。当日は同学会の名誉顧問、顧問代表として閉会の挨拶をされたが、午後1時から6時まで5時間、熱心に会議に参加され、すばらしい総括をいただいた。研究会終了後、お見送りしたが、これが今生の最後の別れとなった。人生の悲哀をしみじみと感じている。

 年末、筆者の兄の逝去の連絡に対し、早くにご令室、長男を亡くされていた先生から、「肉親を失った悲しみはよくわかります、心から冥福を祈ります」と年明けそうそう丁重なお手紙をいただき、先生の思いやりの深さに感激した。

 西原先生は学識豊富であるばかりでなく、人格識見もあり、筆者の人生の理想像、手本としてBIS名誉顧問の故小野田寛郎・帝国陸軍情報将校、故広瀬輝夫・NY医科大学臨床外科教授、中松義郎・中松総研社長、谷口 誠・元国連大使ともども、筆者の恩師としてご指導を親しくいただいた。今回の急逝は誠に断腸に耐えない思いです。

 BISを代表し、茲許は西原先生のご冥福を心よりお祈りする次第です。

 西原春夫先生、安らかにお休みください。合掌。


<プロフィール>
中川 十郎(なかがわ・ じゅうろう)

 鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)

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