過去最高益を達成、新たな理念作成 新規事業開始でさらなる高みへ（前）

（株）ラック
代表取締役社長　松井 秀二 氏

コロナ禍以降 新規事業をスタート

    ──昨年6月に結婚式場「リッツファイブ」を閉館されました。

　松井秀二氏（以下、松井）　コロナ禍前は年間600組超の婚礼を執り行っていた結婚式場「リッツファイブ」（福岡市博多区）ですが、2022年6月25日をもって閉館いたしました。今後はリッツファイブとは異なる新たなスタイルの結婚式場の建設を考えています。また、リッツファイブのプランナーが中心となり、「韓国フォトスタジオ事業」と「ウェディングプロデュース事業」の2つを立ち上げました。

　「韓国フォトスタジオ事業」では、22年11月、札幌で大人気の韓国フォトスタジオ「NOBLE JAPAN（ノーブルジャパン）」のFC店を本社2階にオープンさせました。韓国のデザイナー監修によるフォトスタジオは、あたかも映画のワンシーンであるかのようなウェディングフォトを演出します。さらに高度なレタッチ技術で自然な仕上がりの補正が可能です。

　「ウェディングプロデュース事業」では、まず婚活事業として結婚相談所「ENLIFE（エンライフ）」をオープンさせました。日本最大級の「日本結婚相談所連盟」の正規加盟店のため「圧倒的な出会いの数」でパートナー探しを全力でサポートいたします。また、「リッツ5コンシェルジュ」では、結婚式場のアレコレを知り尽くしたプランナーが希望や予算に応じた式場を紹介しています。

　現在、福岡市内のホテルやレストラン、料亭、キャンプ場などと提携しており、お客さまのご要望に合った結婚式をプロデュースさせていただいております。もちろん、こちらに「すべてお任せ」というお客さまに対しても素敵な結婚式をプロデュースいたします。結婚するお2人にとって何がベストなのかを基にプランナーがコンセプトを練ったうえで、会場を紹介するだけでなく、会場探しにも同行。式場との料金の交渉など、代理的な役割も担っていきます。

　──婚礼以外でも新たな事業を立ち上げられたそうですね。

　松井　コロナ禍以降に「不動産事業」「飲食事業」「福祉事業」の3事業をスタートさせました。

　「不動産事業」では、相続物件問題解決のために不動産売買のほか、リフォーム、遺品整理など、さまざまな不動産サービスの提供などを行っています。たとえば就職や結婚で現在、東京に住んでいるご子息が不動産処理のために東京と福岡を行ったり来たりするのは、時間もお金も手間もかかり大変だと思います。そこで、当社が代理で、不動産登記の手続きを行ったり、家をリフォームして売却したりすることで、ご遺族の負担を軽減するお手伝いをしています。

　「飲食事業」では、日本および九州の食文化を全国に発信すべく、昨年5月のゴールデンウィーク明けに熊本県1号店となる「井手ちゃんぽん」FC店を熊本市南区に出店いたしました。今後もエリアを拡大していき、将来的には当社オリジナルの飲食店の出店も検討しているところです。

　「福祉事業」では、21年8月に自立支援型デイサービス「レッツ倶楽部野方」を開設しました。要介護認定を受けた高齢者をサポートする半日型のデイサービスを提供する施設で、6台のリハビリマシンを使い、日常生活に必要な動きのトレーニングを提供しています。野方のオープンを皮切りに、22年1月に「レッツ倶楽部中島」を大分市に、同4月に「レッツ倶楽部高取」を福岡市早良区に、同10月には「レッツ倶楽部野間大池」をオープンさせました。

（つづく）

【文・構成：新貝　竜也】

＜COMPANY INFORMATION＞
（株）ラック
代　表：松井　秀二
所在地：福岡市博多区東比恵3-14-25
設　立：1967年12月
資本金：6,575万円
ＴＥＬ：092-473-0101
ＵＲＬ：https://j-lac.com

＜プロフィール＞
松井　秀二（まつい・しゅうじ）
1956年11月、福岡市博多区出身。日本経済大学経営学科卒業後、（株）西日本互助センター（現・（株）ラック）に入社。冠婚事業部RITZ5課長やRITZ5支配人、冠婚事業部部長などを経て、2007年冠婚事業部執行役員、09年取締役、12年常務取締役に就任。20年1月代表取締役社長に就任。