れいわ、帯広市“土建独裁”市政批判─焼却場計画の闇
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れいわ新選組が2月25日、北海道帯広市内で大島九州男・参議院議員と辻恵・元衆議院議員のコラボ講演会を開催した。市議選予定候補の川森じゅんじ氏も参加し、市民との意見交換会のよう場にもなった。話題となったのは、自民と立民の相乗りで四選した米沢則寿市長が進める焼却場計画。既存焼却場の隣が建替予定地であったのに突然、水害リスクの高い地区での新設となって事業費も増大し、市議会でも問題になっていたのだ。
ただし、市議会はほぼオール与党化。反対の論陣を張るのは、今期で引退する清水誠一市議(自民)だけだ。そのため、川森氏が焼却場問題を引き続き追及する市議になるのかを市民が見極めようとする場にもなったのだ。
最初に講演をした辻氏は、米沢市政を次のように批判した。「今の市政は閉鎖的だ。ゴミ焼却場の問題をめぐっても200億円ぐらいでできるところを600億円もかけて、しかも秘密会議でやっている。情報公開されないようなところで(計画を決めている)」「こういう市議会に新風を送り込む。おかしなところはおかしなところとして問題提起をする議員を何としても作り出そうではありませんか」。
続いて川森氏がこう訴えた。
「情報が一切公開されていない状況に私は疑問をもっている。徹底的に食らい付いて情報公開をして市民の皆さまにもう一度立ち止まって考え直してほしいと考えている」
これに対して焼却場問題に取り組み市民が「1人の自民党市議を除いてオール与党化した米沢市政にどう斬り込むのか」と切り出し、この問題を演説でどう訴えるのか即興で見せて欲しいとも発言した。
これを大島参院議員が「分かる範囲でやってみて。あとはみんなの知恵をもらえばいい」と後押しして、川森氏は「どうしてこれが議会で議論にならなかったのか問いかけたい」「市民の生活のため、将来のためになるのかを原点に立ち返って話していきたい」などと訴えた。
だが、即興演説を促した市民は「具体性が何もない」と指摘。これ受けて辻氏が「逆にどういう指摘をすればいいのか教えてもらえれば」と取りなした。市民の知恵を盛り込みながら政治家を育てていこうという実践の場になったともいえる。
最後に辻氏がこう締めくくった。
「帯広の今の閉鎖的なこういう議会に新風を送り込む。やはり私たちと一緒になって考える。おかしなところはおかしなところとして問題提起をする議員を何としても作り出そうではありませんか」
実際、帯広市議会は閉鎖的状況に陥っていた。数百億円規模の焼却場計画が十分な議論もないまま、米沢市長の独裁的手法で決定されようとしていたからだ。それに唯一反対した清水市議は2月13日、「宅地開発ができない、水没の恐れがある土地になぜ建てないといけないのか」と疑問を呈示し、こう続けていた。
「(今の焼却場の隣接地である)パークゴルフ場に建つだろうと思ってきたが、ある日突然、バーンと、『いや広い方が都合が良いだろう』ということで(水没リスク地区に変更)、この事業が進んだところにボタンの掛け違いがあった。そういうところに住民の方々の意見が行かないといけない時に、(議事録が非公開の)秘密会で決めて、全部ふたをしてしまった。手続きは完全に違法行為です。本来公開しなければならない議会の原則というものを逸脱している」
焼却場計画の“闇”とはこのことだ。建設予定地がなぜ、事業費が少なくて済む現行の焼却場隣接地から、水害時に水深5mにもなる水没リスク地区(土盛り工事が必要)に変更したのか。米沢市長を支援する地元建設業者「宮坂建設」を儲けさせるためではないかと疑いたくなるのだ。
帯広市議会で孤軍奮闘した清水市議の後を継ぐ新人議員が、何人誕生するのか。そして、地方議会に新風を吹き込むことに意欲的なれいわ新選組が、国会でも自民も立民も賛成する焼却場計画にどう斬り込んでいくのかも注目される。自治体の全額負担ではなく、国費も投入されるからだ。利権の匂いがする帯広の焼却場計画から目が離せない。
【ジャーナリスト/横田一】
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