アカデミー賞をエブエブが席巻、アジア人初となる主演女優賞も受賞

 米国・ハリウッドで開催中の世界最高峰の映画賞「第95回アカデミー賞」で、映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(以下、エブエブ)」が、主要部門である作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞に加えて、編集賞も受賞するなど、第95回アカデミー賞を席巻した。

※主演女優のミシェル・ヨーさんのカンフーアクションにも注目(報知新聞プレスリリースより)
主演女優のミシェル・ヨーさんの
カンフーアクションにも注目
(報知新聞プレスリリースより)

    とくに、主演を務めたミシェル・ヨーさんの主演女優賞受賞は、アジア人初の受賞という快挙であり、同じアジア人俳優たちにとって励みになるはずだ。

    エブエブの物語は、米国でコインランドリー経営を行う中国系アメリカ人の家族が、国税局から目をつけられ、税金の申告をやり直さなければならなくなるところから始まる。

多元宇宙のなかには生物が誕生しなかった世界や指がソーセージといった不思議な世界も(報知新聞プレスリリースより)
多元宇宙のなかには
生物が誕生しなかった世界や
指がソーセージといった不思議な世界も
(報知新聞プレスリリースより)

    物語は、そんなトラブルを抱える主人公がなぜか多元宇宙(マルチバース)の危機を救うことになるという、予測不能なSF×カンフーアクションとして展開していく。

 一方で、税金問題のほかにも、米国へやってきた要介護者の父親の世話、同性愛者の娘やそのガールフレンドとの関わりかた、頼りない夫との夫婦関係など、家族の問題にも焦点が当てられており、笑って泣けるヒューマンドラマとしても見応えのあるものに仕上がっている。

【代 源太朗】

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