2024年11月05日( 火 )

浄水器「みず工房」のタカギを投資ファンドが買収

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 日本産業推進機構グループ(NSSK、東京都港区、津坂純代表)と(株)タカギ(北九州市、高城壽雄代表)は3月31日、両社の資本業務提携を発表した。創業家から過半数の株式を取得するNSSKの実質的な買収。買収額は日経新聞によれば1,000億円弱の見通し。現経営陣は続投する。

 1961年5月に現会長・高城壽雄氏が、プラスチック中空成型機および金型の製造を目的に高城精機製作所として創業したのが同社の始まり。大手家電メーカーからの受注で業績を伸ばしたが、オイルショックにより受注が激減。77年に経営が行き詰った。79年11月に現在の(株)タカギを設立し、下請主体の事業展開から、自社ブランド商品での事業展開へ転換を図った。高城氏の豊富なアイデアを基に、さまざまな商品が発明された。油漏れを解決したタンク対灯油ポンプ「ポリカンポンプ」、1つの目的にしか使えなかった散水ノズルを多機能化した「ノズルファイブ」などは爆発的に売れた。さらに蛇口一体型浄水器「みず工房EX」など、発想力を背景に市場を創出しながら同社は成長を続けた。同氏の特許所有件数は200件を優に超える。

 近年の業績も右肩上がりで、22年3月期には売上高が300億円、最終利益が30億円を突破した。豊富な内部留保を持つ北九州地区を代表する企業である。一方で事業承継が大きな課題となっており、今回の決断に至った模様だ。同社の業績推移と財務内容は別表の通り。

タカギ 業績推移/財務内容

【緒方 克美】

関連キーワード

関連記事