2024年12月22日( 日 )

ChatGPTの嵐に、中国企業の対応は

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 対話型人工知能(Chat AI)の「ChatGPT(チャットGPT)」を発表したOpenAI社はこのほど、次世代のマルチモーダル大規模言語モデル「GPT-4」を発表し、世界中で広く注目を集めている。

GPT-4とは何か?

ChatGPT イメージ 欧州科学アカデミーの外国籍会員で清華大学人工知能研究院の孫茂松常務副院長は、「GPT-4にはたしかに感嘆させられる。これはChatGPT、GPT-3.5(自然言語処理モデル)、CLIP(テキストと画像を結びつける画像処理モデル)を有機的に組み合わせたものだ。OpenAI社は、それぞれ非常に優れたこの3モデルを一体化させると同時に、GPT-4では学習する過程で一部のデータを増やし、データの規模をさらに拡大した。そのなかには画像もテキストも含まれる」と述べた。

 興味深いのは、GPT-4は単なる会話のサポート役ではなくなり、一部のユーモラスな画像を理解することも可能になったことだ。もちろん、人々が期待する動画理解レベルにはまだおよばない。

将来、AIは人間から多くの仕事を奪う?

 孫副院長によれば、AIが大規模に人に取って代わることはない。メカニズムからいえば、機械の役目はやはり人間をサポートすることで、人間の力強いアシスタントとして相対的に簡単な知的作業を手伝い、人間を一部の繰り返しの多い知的作業から開放してくれる。人間が複雑な作業をするときには、AIが一部の作業を手助けし、手間を省いて、作業の効率と質を大幅に高めてくれるのだという。

 また、孫副院長は「本質的にいえば、機械が人間の知恵に取って代わることはない。人間の知恵、体験、知性が反映されたものであればあるほど、機械にとっては複雑なものになる。レベルが深ければ深いほど、取って代わることは難しくなる」とした。

 将来、大規模言語モデルはどの方向に発展するだろうか。孫副院長は、「現在、GPT-4は画像処理対応が可能になった。将来の大規模言語モデルでは動画や3D画像などの処理が試みられるだろう」と述べた。

GPT-4にはどんな欠点があるか?

 GPT-4にはもちろん欠点もある。たとえば、大真面目にでたらめなことを返してくることもあるし、ひと続きの会話だと判断できる範囲にも限界があり、経験のなかから学ぶこともできない。そのため、セキュリティのための利用制限を設けなければ、GPT-4は偏った認識、虚偽の情報、さらには個人のプライバシー侵害などを大量に生み出す可能性がある。また、データ収集には時間がかかるので、GPT-4は2021年9月以降に起きた出来事を把握できていない。さらに、簡単な推測を誤ることもあれば、人間と同じように技術的に難しい問題で誤りを犯すこともある。たとえば生成したコードのなかにセキュリティホールを組み込んでしまう可能もある。

中国の大規模言語モデル生成型AI企業はどう対応するか?

 調査会社の「天眼査」がまとめたデータによると、現時点で、中国国内にはAI関連企業が258万8,000社以上あり、そのうち22年に新規登録された企業は73万2,000社に上り、増加率は41.5%だった。過去3年間近くのAI関連企業の新規登録数増加率は年間平均で40%を超えている。GPT-4が登場した後、こうした企業はどのように対応すべきだろうか。

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 浙江大学国際連合商学院デジタル経済・金融イノベーション研究センターの盤和林連席センター長は、「中国のAI企業はやはり蓄積を重視すべきだ。これにはパラメータの蓄積、データ学習の蓄積、計算力の蓄積が含まれる。テクノロジーの世界における競争では、カーブで追い越すチャンスはあるが、多くはない。たとえば、新エネルギー自動車の分野では中国はカーブでの追い越しを実現したが、多くのテクノロジー分野で展開されるのは陣地戦だ。中国の生成型AI発展の基礎固めをし、成熟度の高い製品を打ち出す必要がある」との見方を示した。

商用化で真っ先に恩恵を受けるのはゲームと文化・娯楽産業?

 注目されるのは、複数の証券会社の研究報告と業界のアナリストが、メタバースの概念から派生した「デジタルヒューマン」産業がGPT-4から極めて大きな利益を受けると予想していることだ。

 国盛証券は研究報告のなかで、「3Dモデリングのデジタルヒューマンは精度が高いものだが、コストの高さと制作時間の長さが商用化をある程度難しくしている。しかしGPT-4のサポートがあれば、デジタルヒューマンはメタバースの世界の『アバター』となり、将来の用途はライブ配信パーソナリティや顧客サービスに限られなくなるだろう」と分析した。


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