2024年07月16日( 火 )

仏大統領の訪中3日間で生まれた大型商売とは(前)

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人民大会堂 イメージ    習近平中国国家主席は4月6日、国賓として中国を訪問しているフランスのマクロン大統領と北京の人民大会堂で会談した。

 習主席は「現在の世界は深刻な歴史的変化の最中にある。中仏には、国連安保理常任理事国および自主独立の伝統を持つ大国として、世界の多極化と国際関係の民主化の揺るぎない推進者として、意見の相違や束縛を乗り越えて、安定的、互恵的、先駆的で前向きな中仏の包括的な戦略的パートナーシップという大きな方向性を堅持し、真の多国間主義を実践し、世界の平和・安定・繁栄を維持する能力と責任がある」と指摘。

 また習主席は「双方は両国間の包括的で高水準の意思疎通のチャンネルを活用し、両国首脳間の緊密な意思疎通を維持し、中仏ハイレベル戦略対話、中仏ハイレベル経済・財政・金融対話、中仏ハイレベル人的・文化的交流対話という3大対話メカニズムの新たな会合を年内に開く必要がある。互いに相手国の主権および領土的一体性を尊重し、相手国の核心的利益を尊重し、溝を適切に扱い、管理・コントロールする必要があり、互恵と共同発展を堅持する必要がある。

 中国は引き続き開かれた姿勢で、国連、主要20カ国・地域(G20)、世界貿易機関(WTO)など多国間の枠組みで仏側と緊密な意思疎通と協力を保ち、真の多国間主義を共に実践し、気候変動やエネルギー問題などグローバルな課題に手を携えて対処することを望んでいる」とした。 

 マクロン大統領は「フランスは『一つの中国』政策を尊重し、遂行している。私か今回大規模な代表団を率いて訪中したのは、中国側との協力強化、人的・文化的交流の促進を望んでのことだ。フランスは中国側が常に国連憲章の趣旨を遵守し、国際・地域的な紛争問題の解決に積極的役割をはたしていることを評価しており、中国側と緊密な意思疎通と協力を行い、世界の恒久的な平和と安定の実現に努力することを望んでいる」とした。

 中仏両国の首脳は会談後、農業食品、テクノロジー、航空、民間原子力発電、サステナブル、文化など、さまざまな分野での提携文書の署名に立ち会った。

 このうちフランスの航空機メーカー・エアバスは、320シリーズを150機、A350を10機、合計160機を中国航空器材集団に納入することで合意したと発表した。金額にしておよそ200億ドル分となる。エアバスはまた、天津に2本目の生産ラインを設けるという。 

 同じく6日、中国船舶集団とフランスの海運会社CMACGMが、2タイプで計16隻の大型コンテナ船を製造する契約を北京で取り交わした。契約金額は、中国のコンテナ船関連の一括契約で最大となる210億元以上である。

 またフランス大統領官邸によると、マクロン大統領に同行した企業代表団のうち、鉄道機器メーカーのアルストム、CMACGM、原発を手がけるフランス電力、世界最大の化粧品メーカー・ロレアルなど、さらにフランス豚肉業界なども中国との提携拡大で合意したという。

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 第一財経新聞によると、マクロン大統領の訪中に際し、フランス電力と中国広核集団が、2007年から実施している原発の設計、建設、運営に関するグローバル契約について、期間を延長することになった。

 さらに、フランスの水処理大手・スエズと、万華化学集団、中鉄上海工程局集団の3社が、環境分野に関する提携のさらなる拡大に向けて海水淡水化事業を実施し、アルストムが四川省成都の地下鉄に機器類を提供する。またロレアルが通販大手のアリババと、業界
初の「コスメのデジタル化循環経済モデル」の形成に向けて3年間におよぶパートナー契約を結んだ。さらにフランス大統領官邸は、フランス産豚肉の中国への輸出拡大に向けて15件のライセンスを取得したと発表した。

(つづく)


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