プレート笑う者はプレートに泣く
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は、5日の石川県珠洲市などの地震発生を受け、地震への備えの重要性を訴えた5月11日付の記事を紹介する。
近代的世界地図を世界で初めて作成したアブラハム・オルテリウス。オルテリウス(1527-1598)はアメリカ大陸の東海岸とアフリカ大陸の西海岸の海岸線が似ていることに気付いたと伝えられている。
ドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナーが「大陸移動説」を提唱したのは1912年。それより50年ほど遡る1858年にフランスの地理学者アントニオ・スナイダー=ペレグリニが、アメリカ大陸とアフリカ大陸がかつて1つの大陸だったことを発表した。
しかし、大陸移動説に対する批判は強かった。1928年にイギリスの地質学者アーサー・ホームズがマントル対流説の原形となる学説を提唱。大陸移動説の根拠を提示した。
第二次世界大戦後、古地磁気学と海洋底観測の発展により、ヨーロッパ大陸と北米大陸がかつては1つであったものが2億年前から1億年前の間に大西洋を境に東西に分裂したことが明らかにされた。その後、プレートテクトニクス理論が確立され、プレート運動の原動力が判明した。
南アメリカ大陸とアフリカ大陸は1つの大陸だったが、2つのプレートの上に乗っていたため、プレートの動きによって離れた。インドは今よりもずっと南に位置していたがプレートの動きによってユーラシアプレートとぶつかり、ヒマラヤ山脈を形成した。
プレートは大陸を離したり、ヒマラヤ山脈を形成したりするほどのエネルギーをもつ。そのプレートとプレートの境目で地震が起こる。
日本は4つのプレートの境目に存在する世界で唯一の国。世界の10分の1以上の地震が日本で発生し、国内に地震の空白地帯はない。
5月5日午後2時42分に石川県珠洲市で震度6強の地震が発生した。地震の規模を示すマグニチュードは6.5。石川県珠洲市は2020年から群発地震に見舞われている。5月5日の地震は一連の群発地震のなかで最大規模のもの。その後も震度4以上の地震が多数回発生している。
こうしたなかで5月6日午前2時47分に青森県東方沖を震源とする震度4の地震、5月11日午前4時16分に千葉県南部を震源とする震度5強の地震が発生した。石川県珠洲市はユーラシアプレートと北米プレートの境界に近い。千葉県南部は北米プレートとフィリピンプレートの境界に近い。
武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は千葉県南部を震源とする地震について、フィリピン海プレートの内部で生じた内陸直下型とみられ、規模がさらに大きくなれば、いわゆる首都直下地震の1つになると指摘している。
※続きは5月11日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「プレート笑う者はプレートに泣く」で。
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