縄文アイヌ研究会 主宰 澤田健一
縄文とアイヌ①『縄文人の日本史~縄文人からアイヌへ』の復刻版が7月12日に高木書房から発刊となりました。
初版本が発刊されたころは「アイヌと縄文人は関係がない」と言っていた人が学者も含めて大勢いました。ところが、つい先日まで開催されていた国立科学博物館の「古代DNA展」で、「DNAが語るアイヌへの道すじ」という説明板には次のように書いてありました。
【これまでアイヌは、日本列島の周辺で孤立して成立した集団という見方をされてきたが、それは誤りであることも明らかとなった。】
【アイヌ集団には、現代の本土日本人に10~20%ほどしかない縄文人の遺伝子が70%近く伝わっており、最も縄文人に近い集団である。】
これらはまさに「縄文人の日本史」に書いたことと同じことを言っています。縄文人からアイヌまでの連続性を理解できなければ世界の古代史解明が行き詰まってしまいます。世界の古代史の謎を説くためにも日本の古代史を正確に理解する必要があるのです。アイヌの正しい理解が重要で不可欠な一歩となります。
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また、国立科学博物館が開催した「古代DNA展」の「DNAが語るアイヌへの道すじ」には他にも大事な説明がありました。その説明板にはこうも書いてありました。
【DNA分析が進んだことで、彼らは北海道の縄文人をベースとしながら、その後の歴史のなかで、本土日本人や沿海州の集団からの影響も受けつつ誕生したことがわかってきた。】
まさにこの説明板にある通りの流れを、具体的な事象を並べて時代を追って書いたのが「縄文人の日本史」です。
北海道には旧石器時代から日本民族のご先祖さまが住んでいて、そこに北部九州や東方地方や沿海州などなどのさまざまな地域から時代を超えて影響がおよんできます。アイヌとは旧石器時代から北海道に住んでいた日本民族のご先祖さまの正統な子孫なのです。だからこそアイヌ神話には神代日本の伝承が残されているのです。結果として、アイヌを通して古代日本の姿が浮かび上がり、そして世界の古代史が浮かび上がってくるのです。
それを多くの方々にご理解いただきたいと願っております。